「Heroku」の無償プランを廃止する――。Salesforceが下したこの決断は、Herokuユーザーに大きな衝撃を与えた。具体的にどのようなサービスが無償で利用できなくなったのか。移行先となり得る有償プランとは。
Salesforceは2022年、PaaS(Platform as a Service)群「Heroku」の一部サービスで提供していた無償プランを廃止した。開発者やソフトウェア開発チームは、かつて無償で利用していたHerokuサービスの有償版が、自社の用途に見合うかどうかを改めて判断する必要がある。
Herokuはアプリケーションの配備や実行、管理をするための、複数のPaaSで構成されている。インフラとして利用するのは、Amazon Web Services(AWS)の仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)だ。
開発者はHerokuのダッシュボードやコマンドラインインタフェース(CLI)を利用することで、アプリケーションの開発や管理を簡素化できる。Herokuはアプリケーションのインフラを抽象化することで、インフラの複雑な管理作業からユーザー企業を解放する。
Herokuが扱うコンテナ「dyno」は、オープンソースOS「Linux」の軽量コンテナだ。dynoはエンドユーザーが入力したコマンドを基に、アプリケーションを実行する。dynoの無償プランによって、ユーザー企業はdynoを1カ月のうち、一定の時間内であれば無償で利用できた。
Salesforceは2022年11月にdynoの無償プランを廃止し、料金体系を再構成した。2023年時点ではスペックが異なる6種類のdynoを提供している。各dynoは、メモリの容量や共有CPUの占有率、利用可能な機能が異なる。
リレーショナルデータベース(RDB)サービスの「Heroku Postgres」と、キーバリュー型データストア「Heroku Data for Redis」には、開発者やソフトウェア開発チーム向けの無償プランがあった。dynoと同様に、Salesforceはそれぞれの無償プランを廃止した。Heroku PostgresとHeroku Data for Redisの有償プランには、利用可能な機能やストレージ容量などが異なる複数のプランがある。
第2回は、Herokuサービスの無償プラン廃止で、ユーザー企業に生じる可能性があるリスクを説明する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。
半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。
システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。
SaaSサービスが普及する一方、製品の多様化に伴い、さまざまな課題が発生している。特にベンダー側では、「商談につながるリードを獲得できない」という悩みを抱える企業が多いようだ。調査結果を基に、その実態と解決策を探る。
生成AIの活用が広がり、LLMやマルチモーダルAIの開発が進む中で、高性能なGPUの確保に問題を抱えている企業は少なくない。GPUのスペック不足を解消するためには、どうすればよいのか。有力な選択肢を紹介する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。