オープンソースPaaS製品には代表的な製品が幾つかある。その中から、「Cloud Foundry」「Dokku」「OKD」の機能と特徴を説明する。
ミドルウェアのクラウドサービスであるPaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションのインフラ構築を簡素化する。特にPaaSを構築可能なオープンソースソフトウェア(OSS)である「オープンソースPaaS」製品は、クラウドベンダーが提供するPaaSと比較して、ベンダーロックインを解消しやすいメリットがある。前編「“普通のPaaS”が嫌なら『オープンソースPaaS』製品を使うべき理由」に続く本稿は、主要な6種類のオープンソースPaaS製品のうち、2つ目から4つ目を紹介する。
2つ目は、Cloud Foundry Foundationのアプリケーションインフラ管理ソフトウェア「Cloud Foundry」だ。Cloud Foundryの実行や管理には、「BOSH」というソフトウェアを利用する。
Cloud Foundryの操作には主にコマンドラインインタフェース(CLI)を利用する。独自のマーケットプレースを介して、アプリケーションにログ収集やシングルサインオン(SSO)などの機能を実装できる。ソースコード共有サービスの「GitHub」やAmazon Web Services(AWS)の同名クラウドサービス群などと、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を介して連携可能だ。
3つ目の「Dokku」は、シンプルな機能と使いやすさを特徴とする。DokkuはCLIで操作でき、Salesforce(salesforce.com)のPaaS「Heroku」に似た使い方ができる。
Dokkuはプラグインの集まりとして構築された、プラグインアーキテクチャが大きな特徴だ。単一のリポジトリ(ファイル貯蔵庫)内に、データベースなどアプリケーションに依存関係のある要素を格納できる。Let's EncryptのSSL(Secure Sockets Layer)サーバ証明書登録やSlack Technologiesのチャットツール「Slack」の自動通知といった機能の追加も可能だ。
4つ目のRed Hat「OKD」は、コンテナオーケストレーター「Kubernetes」のOSSのディストリビューション(配布用パッケージ)だ。同社の商用PaaS製品「Red Hat OpenShift」と同等の機能を持つ。さまざまなKubernetesワークロード(Kubernetesで構築したコンテナのクラスタ「Kubernetesクラスタ」で稼働するアプリケーション)を実行できるよう設計されており、チームでの使いやすさが念頭に置かれている。操作にはCLIと、Webブラウザで利用できるグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)の両方が使用できる。
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