中東からモータースポーツを届ける「光ファイバー」だけじゃない映像配信網中東と欧州がつながる日【前編】

競輪やフォーミュラ1(F1)などのモータースポーツの映像配信には安定したネットワークインフラが欠かせない。中東から世界各国への配信を支えるネットワークインフラとは。

2023年06月19日 07時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 ネットワークサービスプロパイダー(NSP)のRiedel Networksは中東で開催されるモータースポーツイベントのため、バーレーンに本社を置く通信事業者のKalaam Telecom Groupのグループ企業Kalaam Carrier Solutions(KCS)とパートナーシップ契約を結んだ。両社によれば、今回の契約はサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)で開催されるモータースポーツイベントに向けて、堅牢(けんろう)なネットワークを提供することが目的だ。

 モータースポーツは競輪やフォーミュラ1(F1)、スノーモービルなど幾つかの種類があるが、共通しているのはこれらの競技の映像配信には安定したネットワークインフラが必要ということだ。両社はどのようなネットワークインフラで配信しようとしているのか。

映像配信のための光ファイバーと「もう一つのインフラ」

 Kalaam Telecom Groupは中東および北アフリカ(MENA)地域にまたがる、約1400キロの光ファイバーケーブルの「Kalaam Network Optical Transit」(Knot)を保有している。同社はインド、中東、欧州にまたがる約1万5000キロの光海底ケーブル「Europe-India Gateway」(EIG)の共同所有権も持つ。

 一方、2001年にドイツで設立したRiedel Networksは、多国籍企業やメディアおよびイベント業界に特化したNSPだ。同社は、エンドユーザーがインターネットにアクセスするための接続点である「PoP」(Points of Presence)を40カ国以上に展開している。

 両社のインフラを活用することで、中東のレース場からでも欧州やアジアの事業者およびその先のエンドユーザーに映像を配信できる。


 後編では、両社のインフラを組み合わせることでどのような効果が生まれ、ネットワークが改善したのかを解説する。

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