RPAベンダーAutomation Anywhereは、主要ツール群「Automation Success Platform」に生成AIを組み込み始めた。RPAツールに生成AIが加わることで、どのようなことができるようになるのか。
テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)を取り入れる動きが、ビジネスプロセスを自動化する「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)市場に広がり始めている。単純なプロセスを自動化するだけの従来型RPAツールの限界が露呈する中、RPAベンダー各社は生成AIの活用で自社ツールを進化させることで、新たなニーズを取り込みたい考えだ。
RPAベンダーの代表格であるAutomation Anywhereもご多分に漏れず、同社の主要ツール群「Automation Success Platform」(オートメーション・サクセス・プラットフォーム)に生成AIを組み込み始めている。生成AI機能を搭載した、主要なAutomation Success Platformツール3種の特徴を整理しよう。
1つ目は、ビジネスユーザー向けの自動化支援ツール「Automation Co-Pilot + Generative AI for Business Users」だ。さまざまなアプリケーションで、生成AIを利用したコンテンツの作成や要約、メール送信、レコメンデーションの提案などをできるようにする。
Automation Co-Pilot + Generative AI for Business Usersの中核要素である「Automation Co-Pilot」(旧「AARI」)は、Automation Success Platformのソフトウェアロボット向けユーザーインタフェースだ。ユーザー企業はアプリケーションにAutomation Co-Pilotを組み込むことで、アプリケーションからソフトウェアロボットを実行したり、操作したりできる。Automation Co-Pilot + Generative AI for Business Usersは、Automation Co-Pilotに生成AIを組み込むことで、自動化できる業務の種類を増やす狙いだ。
2つ目の「Automation Co-Pilot + Generative AI for Automators」(2023年7月にプレビュー版提供)は、ソフトウェアロボットの開発を手掛ける開発者支援ツール。Automation Co-Pilot + Generative AI for Business Usersと同様、Automation Co-Pilotに生成AIを組み込んだ。開発者はユーザーインタフェースとしてAutomation Co-Pilotを使って、自然言語での対話形式でソフトウェアロボットを開発できる。
3つ目である「Document Automation + Generative AI」(2023年第3四半期に提供)は、Automation AnywhereのOCR(光学式文字認識)ツール「Document Automation」に、生成AIを組み込んだツールだ。構造化ドキュメントおよび非構造化ドキュメントから文章を抽出して要約する。
今後Automation Anywhereは、Automation Success Platformをさまざまな大規模言語モデル(LLM)やクラウドサービスと連携させるという。Google、Amazon Web Service(AWS)、Microsoft、OpenAI、NVIDIAなどのパートナー各社と協力して、生成AI機能を拡充させる意向だ。
Automation Success Platformは、生成AIを実現するための手段として、膨大なテキストデータでトレーニング済みの言語モデル「大規模言語モデル」(LLM)を使う。中編は、Automation Success PlatformにおけるLLM関連の特徴を整理する。
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