ストレージシステムのコスト削減や運用を効率化するツールとしてSDSに注目が集まっている。ただしSDSには落とし穴もある。注意点を紹介する。
ストレージのハードウェアとソフトウェアを分離した「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)の利用が広がっている。SDSの主な利点として、複数の物理ストレージを組み合わせて、論理的な単一のストレージとして取り扱う「ストレージプール」ができることと、ストレージソフトウェアのベンダーに依存せずにハードウェアを交換できることがある。
このような利点があることから企業の利用が広がっているSDSだが、見落としがちな落とし穴があるので注意が必要だ。
SDSを導入することで、ストレージの運用がより複雑になるリスクがある。SDSはベンダー独自のストレージコントローラーよりも機能が劣ることがある。SDSを使う場合、ストレージアレイが備える、ベンダー固有の設定ツールやダッシュボードを使えないことがある。一般的にベンダー固有のツールはSDSよりも機能が充実している。独自機能を使えば、フラッシュストレージの耐久性や処理速度を、SDSと比べて改善できる可能性がある。
SDSは、期待するほどには“オープン”ではないことがある。ベンダーによってはSDSがサポートしている対象のストレージ製品が限られているからだ。SDSを単体ではなく、自社ハードウェアに搭載した形でしか販売していないベンダーもある。「自社が開発したストレージシステムこそが最も性能を発揮できる」という理由から、「SDSとの統合はできない」と考えるベンダーも存在する。
「市場がSDSだけになることはない。単一のベンダーで統合されたハードウェアスタックには幾つかのメリットがある」と、調査会社Gartnerのシニアディレクターであるチャンドラ・ムヒャラ氏は分析する。
第4回は、SDSに業界標準がないためにユーザー企業が向き合わざるを得ないデメリットを紹介する。
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