データが爆発的に増えている中にあって、ストレージ設計の見直しは喫緊の課題だ。ユーザー企業が「拡張性」を重視する大規模クラウドから学べることは何か。
「ハイパースケールクラウド」(大規模データセンターで稼働する広範なクラウドサービス)から学べば、ユーザー企業もストレージを最適化できる。第3回「『故障』を軸にストレージ設計を考えるのは、なぜ有効なのか?」に続き、本稿は拡張性の追求とコモディティ製品の活用によるコスト削減にフォーカスする。
ユーザー企業はこれまでも、増え続けるストレージ需要に応えるために奮闘してきた。データが急速に増加しているため、企業はストレージ設計の根本的な見直しを余儀なくされている。そうした中、ユーザー企業がハイパースケールクラウドの事業者から学べるのは、「拡張性」をキーワードにしたストレージの設計方法だ。設計段階から拡張性を取り入れれば、ストレージを止めることなく、必要に応じてリソースを簡単に追加できるようになる。
ソフトウェア定義ストレージ(SDS:Software Defined Storage)は、ボリューム(記憶領域の単位)やファイル、ノードの管理や設定などを担う「制御プレーン」を、ノードやストレージアレイなどの「データプレーン」から分離することで拡張性を高めている。これによって、企業はストレージを停止せずに容量を増やし、ストレージの運用を最適化できる。
ハイパースケールクラウドのストレージは、スケールアップ型の従来のSAN(ストレージエリアネットワーク)とは異なり、「スケールアウトして分散する」ことが特徴だ。遠隔監視や機械学習による予測を駆使し、容量追加のための条件を決定する。予備の容量を無駄にせず、かつ十分な容量を確保するためだ。
SDSはストレージの導入コストの低減に効果を発揮する。SDSを採用すれば、高価なハードウェアをコモディティ製品と交換することができる。SDSはデータを複数のノードに複製するので、1台のノードが故障してもシステム全体に影響が出ない可能性がある。ノードは代替可能なので、修理や交換もしやすい。
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