本当に効果的なスキルアップ施策【後編】
「従業員の給与」と「企業の業績」を上げるスキルアップ施策を、どうやって続ける?
社内のスキルギャップを埋めるために従業員のスキルアップを推進することは、企業にとってさまざまなメリットが期待できる。スキルアップ施策の成果を確認し、継続させるには、どうすればよいのか。
従業員の働き方や求められるスキルは、変化を続けている。テレワークの浸透や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的な流行)に伴う従業員の辞職・転職を受けて、企業にさまざまなスキルギャップ(仕事に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)が生まれた。スキルギャップの解消には従業員のスキルアップが不可欠だ。ただし企業は、スキルアップ施策をやみくもに実施するのではなく、効果や成否を適切に評価する必要がある。スキルアップ施策を成功に導く6つのステップのうち、5つ目と6つ目を紹介する。
ステップ5.利用しやすいトレーニングの提供
併せて読みたいお薦め記事
連載:本当に効果的なスキルアップ施策
従業員の成長を促す
一律的なスキルアップ施策では、従業員それぞれのニーズを満たすことは難しい。メディア企業O'Reilly Mediaでチーフピープルオフィサーを務めるジャンヌ・コルディスコ氏が推奨するのは、「従業員が自分のペースで学べるトレーニング」の提供だ。これにより、従業員がそれぞれの能力開発において重要な要素に集中できるようになる。
エネルギー業界向けの人材サービス企業Energist HoldingsでCEO兼チェアマンを務めるジョナサン・ヒル氏によると、オンライントレーニングや外部の講師が提供するトレーニングが役立つ場合がある。「スキルアップトレーニングを提供する企業や学習ツールはたくさんあり、その中に従業員が必要なタイプのトレーニングが存在する可能性は十分ある」とヒル氏は話す。
ヒル氏は、資格取得につながるトレーニングや能力開発施策に注目することの重要性も強調する。専門資格を持つ従業員がチームにいる場合、チームはその分野で一定の能力を有していることが証明され、能力をクライアントに示すことに役立つ。「従業員にとっても、資格はキャリアアップにつながる可能性がある」と同氏は言い添える。
ステップ6.スキルアップ施策の評価
コルディスコ氏によれば、スキルアップ施策への投資がコスト、時間、労力、人材の面において十分なリターンを生み出しているかどうかを測るには、スキルアップ施策の評価が不可欠だ。具体的な評価方法としては以下がある。
- 従業員からのフィードバックを収集し、従業員自身が成長しているかどうかを確認する
- 新しいスキルが企業の成長に直結しているかどうかを確認する
スキルアップの未来
今後のスキルアップ施策においては、先端技術を活用した学習が主役になり、パーソナライズされた学習が脚光を浴びるようになるとコルディスコ氏は考える。「企業はオンライン学習サービスを重視するとともに、VR(仮想現実)を活用したシミュレーションもより一般的になる」というのが同氏の予測だ。
幾つもの著名な学術機関が、リーダーシップ開発を目的としたトレーニングを提供している。コルディスコ氏は、学術界と産業界の協力関係はこれからさらに強まるとみている。「今後、企業と高等教育機関が共同でスキルアップ施策を構築する機会が増える可能性がある」と同氏は言う。
企業が従業員向けのスキルアップ施策を構築する際には、従業員の関心やフィードバックを収集することに加えて、外部機関と密に連携することも重要だ。スキルアップ施策の構築には準備が必要だが、最終的には企業と従業員に多大なメリットをもたらすはずだ。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
2
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
3
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
4
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
5
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
8
高額GPUを買っても成果ゼロ? 「プライベートAI」の落とし穴
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「にゃんこ大戦争」インフラ“大引っ越し”の理由 なぜAWSからGoogle Cloudに?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー