社内のスキルギャップを埋めるために従業員のスキルアップを推進することは、企業にとってさまざまなメリットが期待できる。スキルアップ施策の成果を確認し、継続させるには、どうすればよいのか。
従業員の働き方や求められるスキルは、変化を続けている。テレワークの浸透や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的な流行)に伴う従業員の辞職・転職を受けて、企業にさまざまなスキルギャップ(仕事に必要なスキルと、従業員が持つスキルの差)が生まれた。スキルギャップの解消には従業員のスキルアップが不可欠だ。ただし企業は、スキルアップ施策をやみくもに実施するのではなく、効果や成否を適切に評価する必要がある。スキルアップ施策を成功に導く6つのステップのうち、5つ目と6つ目を紹介する。
一律的なスキルアップ施策では、従業員それぞれのニーズを満たすことは難しい。メディア企業O'Reilly Mediaでチーフピープルオフィサーを務めるジャンヌ・コルディスコ氏が推奨するのは、「従業員が自分のペースで学べるトレーニング」の提供だ。これにより、従業員がそれぞれの能力開発において重要な要素に集中できるようになる。
エネルギー業界向けの人材サービス企業Energist HoldingsでCEO兼チェアマンを務めるジョナサン・ヒル氏によると、オンライントレーニングや外部の講師が提供するトレーニングが役立つ場合がある。「スキルアップトレーニングを提供する企業や学習ツールはたくさんあり、その中に従業員が必要なタイプのトレーニングが存在する可能性は十分ある」とヒル氏は話す。
ヒル氏は、資格取得につながるトレーニングや能力開発施策に注目することの重要性も強調する。専門資格を持つ従業員がチームにいる場合、チームはその分野で一定の能力を有していることが証明され、能力をクライアントに示すことに役立つ。「従業員にとっても、資格はキャリアアップにつながる可能性がある」と同氏は言い添える。
コルディスコ氏によれば、スキルアップ施策への投資がコスト、時間、労力、人材の面において十分なリターンを生み出しているかどうかを測るには、スキルアップ施策の評価が不可欠だ。具体的な評価方法としては以下がある。
今後のスキルアップ施策においては、先端技術を活用した学習が主役になり、パーソナライズされた学習が脚光を浴びるようになるとコルディスコ氏は考える。「企業はオンライン学習サービスを重視するとともに、VR(仮想現実)を活用したシミュレーションもより一般的になる」というのが同氏の予測だ。
幾つもの著名な学術機関が、リーダーシップ開発を目的としたトレーニングを提供している。コルディスコ氏は、学術界と産業界の協力関係はこれからさらに強まるとみている。「今後、企業と高等教育機関が共同でスキルアップ施策を構築する機会が増える可能性がある」と同氏は言う。
企業が従業員向けのスキルアップ施策を構築する際には、従業員の関心やフィードバックを収集することに加えて、外部機関と密に連携することも重要だ。スキルアップ施策の構築には準備が必要だが、最終的には企業と従業員に多大なメリットをもたらすはずだ。
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