業務支援ツール「Copilot for Microsoft 365」の機能強化に伴い、「Microsoft Teams」にも数々の新機能が加わる。その結果、Teamsのある変化が、一部の顧客を悩ませる可能性があると専門家は懸念する。
大規模言語モデル(LLM)を搭載したMicrosoftの業務支援ツール「Copilot for Microsoft 365」(旧称:Microsoft 365 Copilot、以下Copilot)に、新しいAI(人工知能)機能が複数加わる。ユニファイドコミュニケーション(UC)ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)にはCopilot関連の新機能が幾つか加わる他、MR(複合現実)技術群「Microsoft Mesh」もTeamsで利用できるようになる。
こうした進化はユーザー企業に利便性をもたらすものの、専門家はTeamsの機能強化に伴う“ある変化”を懸念する。
TeamsでMicrosoft Meshを利用できるようにするアプリケーション「Mesh for Microsoft Teams」は、2024年に提供開始する見込みだ。プレビュー版は2023年10月から公開されている。
Microsoft Meshでは、没入型の仮想3次元空間で、カスタマイズ可能なアバターを利用した会議が可能だ。座席指定機能や、没入感のある音響を実現する「空間オーディオ」機能など、デジタル空間での共同作業を支えるさまざまな仕組みを備えている。エンドユーザーが没入型イベントを作成するためのノーコード開発ツール(ソースコードを記述しない開発ツール)や、選択式のオプションを通じてイベントをカスタマイズするための専用エディターも搭載している。
2023年11月開催のカンファレンス「Microsoft Ignite 2023」で、MicrosoftのCEOサティア・ナデラ氏は「Microsoft Meshの没入型空間では、新しい方法で人と人がつながるようになる」と言及した。
一方、調査会社Metrigyのアナリストであるアーウィン・レザー氏は、MicrosoftがTeamsやCopilotにさまざまな機能を追加するのに伴い、価格が上昇し、一部のユーザー企業にとっては手が届きにくいツールになる可能性を懸念する。
Copilot for Microsoft 365は1ユーザー当たり月額30ドル、Microsoft Teams Premiumは1ユーザー当たり月額7ドルだ。両方を契約する場合、1ユーザー当たり月額37ドルのライセンス費用が掛かることになる。「多くのユーザー企業にとっては、大きな負担になる」とレザー氏は指摘する。
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