Intelが2023年12月に正式に発表したプロセッサ新シリーズは、AI技術関連のタスクをこなすことを念頭に置いている。「NPU」を搭載するこのプロセッサの“革新的な点”はどこにあるのか。
データセンターだけではなく、ノートPCにおいてもAI(人工知能)技術に関連するタスクをこなす処理能力が求められるようになってきた。それを象徴するのが、Intelが2023年12月に正式発表したプロセッサ新シリーズだ。設計としてまず特徴的なのは「NPU」(Neural Processing Unit)を搭載している点にある。何が変わるのか。
Intelが2023年12月に正式発表したCPUシリーズ「Core Ultra」は、ノートPCで特殊なAI技術関連のタスクを実行するために設計された。開発コードネーム「Meteor Lake」で知られていたこのCore Ultraについて、同社はAI関連の処理を担うプロセッサであるNPUを搭載することを以前から公表していた。NPUは以下のようなタスクを担う。
NPUはこうした特定のタスクに特化しているという点で、「GPU」(グラフィックス処理装置)とは異なる。GPUはグラフィックス処理に特化して開発されたプロセッサではあるが、さまざまなAI関連のタスクを含めて汎用(はんよう)的に活用されている側面がある。
例えるなら、NPUは「短距離走者」のように特定のAI関連タスクを高速に処理できるが、幅広い用途に使うことはできない。一方、GPUは特定のタスクの処理速度では劣ったとしても、より幅広いタスクをこなすことができる。
Intelが2023年12月に開催したイベントで、同社CEOのパット・ゲルシンガー氏は、「AI関連のタスクがより多くの処理能力を要求するようになるにつれ、NPUとGPUの連携が必要になる」と語った。
次世代のコンピューティングにおいて、AI技術は欠かせない要素だ。「より高速で容量が大きいメモリ、より高速なネットワーク、より優れたコンピューティング能力をサステナブル(持続可能)な方法で実現する必要がある」とゲルシンガー氏は言う。
後編は、AI技術の用途が広がる中で、ノートPCやプロセッサをどのような基準で選んだらよいのかを解説する。
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