「RHELマスター」になるなら手に入れておきたい“Linux認定資格”とは?「Linux」認定資格11選【前編】

「Red Hat Linux Enterprise」(RHEL)を業務で扱うIT管理者が、自分の知識やスキルを証明したい際は、Red Hatが提供する認定資格が役立つ。どのような認定資格があるのか。

2024年04月16日 05時00分 公開
[Damon Garn, Julia BorginiTechTarget]

関連キーワード

Linux | OS | 資格


 OS「Linux」の認定資格は、ビジネスの現場でLinuxを適切に導入、設定できる能力の証明だ。専門スキルに特化したものや、Linuxディストリビューション(配布パッケージ)を提供するベンダー固有のものから、ベンダーに依存しないものまで、さまざまな認定資格がある。本連載で紹介する11個の主要なLinux関連認定資格のうち、今回はLinuxディストリビューション(配布パッケージ)の「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)を扱うIT管理者が着目すべき4つの認定資格を紹介する。記事中の情報は、2024年4月時点のものだ。

認定資格1.Red Hat Certified System Administrator

 Red Hatが提供する「Red Hat Certified System Administrator」(RHCSA:Red Hat認定システム管理者)は、RHELの管理に関わるシステム管理者にとって、しばしば最初のステップとなる認定資格だ。

 RHCSAはファイル管理、ソフトウェアインストール、システム設定、ネットワーキングなどに関する基礎的な知識とスキルを測定する。CLI(コマンドラインインタフェース)を使った実務スキルも評価対象になる。試験は実技ベースで、受験者は用意された仮想マシン(VM)でタスクを実行する。タスクの設定や構成が正しく実行できたかどうかを判断されるのだ。

  • 前提条件
    • 「Red Hatシステム管理I」と「Red Hatシステム管理II」、またはこれらのコースを組み合わせた「RHCSA速習コース」を受講済みであるか、RHELのシステム管理者として同等の業務経験を有する
  • 試験科目
    • 1科目
  • 受験料
    • 500ドル(日本の場合5万円)

認定資格2.Red HatCertified Engineer

 「Red Hat Certified Engineer」(RHCE:Red Hat認定エンジニア)は、RHCSAを取得済みの人を対象とした上級認定資格だ。Linuxにおけるユーザーとグループの管理、ストレージ設定と管理、セキュリティ関連の知識などを対象としている。特にタスク自動化に関するスキルを重要視しており、構成管理ツール「Ansible」の知識と使用経験が求められる。

 RHCSAと同様、RHCEの認定試験も実技が中心だ。受験者はVMを使って、指定された要件を達成するためのタスクを実行する。タスクを通じて、受験者の技術力が評価される。

  • 前提条件
    • RHCSAの取得
  • 試験科目数
    • 1科目
  • 試験費用
    • 500ドル(日本の場合5万円)

認定資格3.Red Hat Certified Architect

 「Red Hat Certified Architect」(RHCA:Red Hat認定アーキテクト)は、Red Hatが提供するLinux関連認定資格の中で最上位にある。RHCAを取得するには、Red Hatが提供する規定の認定試験の中から5つを選び、合格しなければならない。この方式は、受験者が自分の知識や職務、スキルに応じて試験を選べるという自由度につながる。試験内容は、インフラとエンタープライズアプリケーションの2つに焦点を置いたものだ。

  • 前提条件
    • Red Hatが定める認定試験のうち5つに合格
  • 試験科目数
    • 5科目
  • 受験料
    • 前提条件となる5つの試験の受験料の総額
  • 合格最低点
    • 選択した試験によって異なる

認定資格4.CompTIA Linux+

 IT業界団体のCompTIAが提供する「CompTIA Linux+」は、特定のベンダーに依存しないLinuxの全体的な知識を身に付けたことを証明するものだ。CLI操作、ストレージ管理、アプリケーションの使用とインストール、ネットワークといった分野をカバーしている。コンテナ、Linuxのセキュリティモジュールである「Security-Enhanced Linux」(SELinux)、リポジトリ管理ツール「Git」を軸とした運用開発手法「GitOps」などの先進的なテーマも扱っている。認定資格の有効期限は3年だ。

  • 前提条件
    • なし
  • 試験科目
    • 1科目
  • 受験料
    • 369ドル(日本の場合は一般価格で税別4万3338円)
  • 合格最低点
    • 900点満点中720点(80%)

 次回は、5〜8個目の認定資格を紹介する

TechTarget発 エンジニア虎の巻

米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news054.jpg

「Threads」が月間アクティブユーザー1億5000万人を突破 今後Xを追い抜くための最善策は?
Metaはイーロン・マスク氏率いるTwitter(当時)の対抗馬として2023年7月にリリースした...

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...