「Red Hat Linux Enterprise」(RHEL)を業務で扱うIT管理者が、自分の知識やスキルを証明したい際は、Red Hatが提供する認定資格が役立つ。どのような認定資格があるのか。
OS「Linux」の認定資格は、ビジネスの現場でLinuxを適切に導入、設定できる能力の証明だ。専門スキルに特化したものや、Linuxディストリビューション(配布パッケージ)を提供するベンダー固有のものから、ベンダーに依存しないものまで、さまざまな認定資格がある。本連載で紹介する11個の主要なLinux関連認定資格のうち、今回はLinuxディストリビューション(配布パッケージ)の「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)を扱うIT管理者が着目すべき4つの認定資格を紹介する。記事中の情報は、2024年4月時点のものだ。
Red Hatが提供する「Red Hat Certified System Administrator」(RHCSA:Red Hat認定システム管理者)は、RHELの管理に関わるシステム管理者にとって、しばしば最初のステップとなる認定資格だ。
RHCSAはファイル管理、ソフトウェアインストール、システム設定、ネットワーキングなどに関する基礎的な知識とスキルを測定する。CLI(コマンドラインインタフェース)を使った実務スキルも評価対象になる。試験は実技ベースで、受験者は用意された仮想マシン(VM)でタスクを実行する。タスクの設定や構成が正しく実行できたかどうかを判断されるのだ。
「Red Hat Certified Engineer」(RHCE:Red Hat認定エンジニア)は、RHCSAを取得済みの人を対象とした上級認定資格だ。Linuxにおけるユーザーとグループの管理、ストレージ設定と管理、セキュリティ関連の知識などを対象としている。特にタスク自動化に関するスキルを重要視しており、構成管理ツール「Ansible」の知識と使用経験が求められる。
RHCSAと同様、RHCEの認定試験も実技が中心だ。受験者はVMを使って、指定された要件を達成するためのタスクを実行する。タスクを通じて、受験者の技術力が評価される。
「Red Hat Certified Architect」(RHCA:Red Hat認定アーキテクト)は、Red Hatが提供するLinux関連認定資格の中で最上位にある。RHCAを取得するには、Red Hatが提供する規定の認定試験の中から5つを選び、合格しなければならない。この方式は、受験者が自分の知識や職務、スキルに応じて試験を選べるという自由度につながる。試験内容は、インフラとエンタープライズアプリケーションの2つに焦点を置いたものだ。
IT業界団体のCompTIAが提供する「CompTIA Linux+」は、特定のベンダーに依存しないLinuxの全体的な知識を身に付けたことを証明するものだ。CLI操作、ストレージ管理、アプリケーションの使用とインストール、ネットワークといった分野をカバーしている。コンテナ、Linuxのセキュリティモジュールである「Security-Enhanced Linux」(SELinux)、リポジトリ管理ツール「Git」を軸とした運用開発手法「GitOps」などの先進的なテーマも扱っている。認定資格の有効期限は3年だ。
次回は、5〜8個目の認定資格を紹介する。
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