Windows端末やMacではなく、「Chromebook」を仕事用のデバイスとして使うとどのような利点があるのか。Windowsアプリケーションを使うこともできる方法とその利点を解説しよう。
仕事用にはクライアントOS「Windows」搭載PCかAppleの「Mac」という、一昔前の常識にとらわれる必要はない。例えば、GoogleのOSを搭載する「Chromebook」がより“お得で賢い選択”になる可能性がある。幸いにもChromebookでWindowsやそのアプリケーションを使える方法がある。Windows搭載PCやMacではなく、仕事用にChromebookを使う利点とは何か。
Chromebookは、GoogleのOS「ChromeOS」を搭載するデバイスだ。ChromeOSはOSとしては比較的軽量となっている。基本的にChromebookではアプリケーションはWebアプリケーションを使い、データ保存にはクラウドサービスを使うことから、ハードウェアは必要最小限で構成することが可能になっている。
導入する企業やエンドユーザーにとっては、初期費用を抑えやすいことがChromebookの第一の利点になると言える。一般的にはビジネス向けのWindows搭載ノートPCやAppleのクライアントデバイス「MacBook Pro」よりも、Chromebookの方が価格は手頃だ。
ChromeOSは自動更新が可能であるため、初期費用だけではなく運用管理の費用についても、Windows端末やMacよりも抑制しやすい。企業のIT管理者にとっては、自動更新ができればエンドユーザーがテレワークを実施していても遅滞なくメンテナンス作業を遂行できる良さが見込める。企業のIT管理者は、Googleがクラウドサービスとして提供する管理コンソールを通じてChromebookを管理できる。
Goolgleのオフィススイート「Google Workspace」を利用するための機能がChromebookに組み込まれているため、企業のIT部門は特別な設定を施すことなくChromebookでGoogle Workspaceを利用できる。Chromebookユーザーは、Googleのオンラインストア「Chrome Web Store」(Chromeウェブストア)から必要な拡張機能やアプリケーションを追加することも可能だ。
クライアントOSとしてWindowsも「macOS」も必要としないのであれば、組織にとってChromebookは従来のデバイス運用から脱却するための選択肢の一つになる。特にノートPCの購入費用やメンテナンス費用がかさんでいて、その費用を大幅に削減したい組織にとってはコストメリットが導入の大きな動機になる可能性がある。
ここまでに説明した点に加えて、Chromebookを仕事用のデバイスとして利用しやすくなる理由がもう一つある。それはWindowsのアプリケーションを使う必要があるのであれば、Microsoftの仮想デスクトップ(クラウドPC)サービス「Windows 365」をChromebookで使うことができることだ。Windows 365とは、さまざまデバイスでWindowsのデスクトップ(OSやアプリケーションを操作する画面)を利用できるようにするDaaS(Desktop as a Service)だ。この方法を使えば、Chromebookでデバイスや運用管理の費用を抑制しつつ、Windowsのアプリケーションを利用可能になる。
次回は、ChromebookでWindows 365を使うに当たっての具体的な方法や、特にどのような場合にChromebookを使うことが適するのかを解説する。
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