メタバースの活用が広がる中で、その安全性についての議論が十分に進んでいない。市場への参入を考えている企業や、メタバースを利用する消費者は、ある問題を知っておく必要がある。
仮想空間「メタバース」には、ビジネスにおける新しいコミュニケーション手法として企業も消費者も関心を寄せている。メタバースは、対面やオンラインによる従来のコミュニケーションの限界を超えた、より没入感のある、パーソナライズ化された体験を提供できるからだ。
一方で、メタバースのリスクに関してはまだ十分に知られていない。企業や消費者が、メタバースを利用するに当たって考えるべき“ある問題”について解説する。
メタバースは、ギリシャ語で「超越」を意味する“メタ”と、「宇宙」を意味する“バース”を組み合わせた造語だ。ユーザーはメタバース上で、アバターを介して他のユーザーとの交流や取引ができる。
メタバースには大きく分けて2つの形態がある。
今後、メタバースを利用する際の懸念として大きくなると考えられるのが「プライバシーリスク」だ。
メタバース市場に参入する企業やユーザーに影響のあるプライバシーリスクとして、以下のようなものがある。
事業者としてメタバースへの参入を計画している企業は、以下2つのポリシーを集約し、顧客が理解しやすいプライバシーフレームワークに落とし込む必要がある。
適切なプライバシー管理を実施しないままトラブルが発生すると、メタバース内のユーザーだけでなく、現実世界の顧客との信頼関係も崩れてしまう可能性がある。
反対に、メタバースにおけるプライバシー管理の黎明(れいめい)期に、問題を分かりやすく説明してユーザーの不安や疑問を解消できる企業は、顧客との強固な信頼関係を築くことができるだろう。
後編は、メタバースの安全性確保に向けた5つのステップを解説する。
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