ネットワーク管理の効率向上や迅速な問題解決に役立つ「Git」。使いこなすための基本的なコマンド7つと、ネットワーク管理での具体的な応用例を紹介する。
ネットワーク管理は、システム運用の根幹を支える重要な要素だ。ただしネットワークの設定変更の追跡やトラブルシューティングはしばしば困難を伴う。ここで注目したいのが、バージョン管理システム(VCS)の「Git」だ。ネットワーク管理者がGitを使いこなすために、知っておくべきコマンドにはどのようなものがあるのか。どのような場面でGitは活躍するのか。
ネットワーク管理者としてGitを理解する最善の方法は、毎日訓練することだ。以下では、Gitに着手するための基本コマンドを7つ紹介する。
エンドユーザー情報や設定を指定するためのコマンド。ユーザー名、メールアドレスといったエンドユーザーごとの情報を指定できる。
リポジトリ(ファイルやフォルダの状態を保存する場所)を新規作成し、「.git」フォルダを初期化するコマンド。.gitフォルダは、リポジトリのメタデータとデータ構造を含むサブディレクトリだ。
指定したURLからリモートリポジトリをダウンロードするコマンド。git cloneを使ってリポジトリの作業用コピーを作成することで、エンドユーザーはローカルPCでファイル編集、コミット(変更を保存してリポジトリに反映する操作)、変更の取り消しといった操作が可能になる。
リポジトリとそのファイルの状態を表示するコマンド。ファイルについて、「変更された」「追加された」「ステージングされた」(コミットの準備ができている状態になった)、「削除された」といった状態を示す。新しく追加されたファイルや、修正されたがGitの追跡対象ではないファイルも表示する。
指定したファイルとその内容を、ローカルワークスペースからステージングエリア(一時エリア)に追加するコマンド。コミット前に実行する必要がある。
ステージングされた変更をまとめ、変更履歴をローカルリポジトリに記録するコマンド。コミットをしたユーザー名、タイムスタンプ、コミットメッセージ(コミット内容を補足するためのコメント)を記録する。コミットメッセージを記録するには、「-m」オプションを使用する。
リポジトリに対して実行されたコミットを時系列順にリストアップするコマンド。コミットハッシュ、作成者、日付、コミットメッセージなどの情報も表示される。
以下に、ネットワーク管理者がバージョン管理、ネットワーク構成、スクリプト(簡易プログラム)管理にGitを使用する例をまとめる。
次回は、バージョン管理に活用できるGit以外のツールや、Gitのメリットとデメリットを紹介する。
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