2025年までに25%の企業が、ネットワーク関連業務の半分以上を自動化するという予測がある。自動化の基礎となるのはSD-WANであり、これはより高度な自動化に取り組むための最初の一歩にもなる。
調査会社Gartnerが2023年に発表した予測では、25%の企業が2025年までにネットワーク関係のタスクの半分以上を自動化するようになる。自動化の基礎となるのは「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)だ。
SD-WANはネットワークやネットワーク管理に変化をもたらした。スイッチング(トラフィックの中継と転送)技術である「MPLS」(マルチプロトコルラベルスイッチング)登場以来のインパクトだと言って過言ではない。
2024年現在では、企業のITチームがネットワークを管理する際、SD-WANを利用することが一般的な選択肢の一つとなっている。次世代ネットワークに移行するには、SD-WANを使いつつも、さらなるネットワーク業務自動化の仕組みが必要だ。何が自動化の鍵を握るのか。
企業はネットワーク業務の自動化を進めるために、システム運用に人工知能(AI)技術を生かす「AIOps」と、開発と運用のプロセスを融合する「DevOps」を導入するべきだ。
AIOpsツールの効果はタスクの自動化だけではない。バーチャルアシスタントを提供してUX(ユーザー体験)を向上させる。SD-WANベンダーは、DevOpsを採用して開発と運用のプロセスを統合することで、ソフトウェア機能の開発を迅速化できる。AIOpsとDevOpsのツールを統合して提供するベンダーも存在する。
近年のSD-WANは機能をAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)化できるように進化している。APIを使用して、ビジネスニーズに応じた自動化機能を実装可能だ。
AIOpsによるネットワーク業務の自動化を進めるには、APIを通してSD-WANの機能を利用できる必要がある。例えばAPIを利用して、単一の管理ツールからWANの構成変更や、「Amazon Web Services」(AWS)のようなクラウドサービス群の設定を変更する。個々の構成要素をまとめて管理する手法を取り入れることで、将来的にはシステム全体にAI技術による意思決定と自動化の仕組みを導入できるようになる。
後編は自動化のメリットを掘り下げ、AIを活用したネットワーク管理のイメージを解説する。
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