年収1500万円が夢じゃない「ITエンジニア職種」はどれ?「稼げるIT系職種」9選【後編】

キャリアプランを考える際は、高い報酬をもらえるだけでなく、将来性のある職種を見極めることが重要だ。これからも安定した需要が見込める高収入のIT系職種を紹介する。

2024年10月17日 07時00分 公開
[Amanda HetlerTechTarget]

関連キーワード

ERP | 人事


 技術者として長く活躍するためには、市場ニーズや職種ごとの将来性を見極めつつキャリアプランを計画することが重要だ。中編に続く本稿は、安定した需要が見込め、かつ高収入が期待できるIT系職種9つのうち、最後の3つを紹介する。年収1500万超えを狙えるのはどの職種なのか。

年収1500万円を狙える「ITエンジニア職種」はどれ?

7.情報セキュリティアナリスト

 情報セキュリティアナリストは、マルウェアなどのサイバー攻撃から企業のコンピュータシステムとネットワークを保護する役割を担う。BLSによると、米国における同職の給与(2023年の中央値)は12万360ドル(約1720万円)だった。

 情報セキュリティアナリストの職務には、セキュリティ全般の経験が求められる職務もあれば、ネットワークセキュリティに特化する職務もある。主なものは以下の通り。

  • セキュリティ対策の計画と実行
  • ネットワークの監視と、侵害の調査と報告
  • ペネトレーションテストの実施
  • サイバーセキュリティ防御対策の確保

 情報セキュリティアナリストに推奨されるスキルとしては以下がある。

  • セキュリティの脅威や防御に関する知識
  • ネットワークやコンピュータシステムの知識
  • 技術的な洞察力
  • コミュニケーションスキル
  • 関係者と連携して物事を進めるコラボレーションスキル
  • クリティカルシンキング(批判的思考力)スキル

 情報セキュリティアナリストとして働くには、コンピュータサイエンスもしくは関連分野の学士号が求められる。ネットワーク、コンピュータシステム、データベース管理者としての実務経験も必要な場合がある。

 BLSの予測では、米国における情報セキュリティアナリストの雇用数は2023年から2033年にかけて33%増加し、毎年平均約1万7300件の雇用が創出される。背景には、サイバー攻撃件数の増加や、医療や金融業界における機密データの収集と保管の拡大といった要因がある。

8.データサイエンティスト

 データサイエンティストは、機械学習(ML)を含む人工知能(AI)技術や、予測モデリングといった高度な分析技術を駆使して、大量のデータを収集、分析、解釈する役割を担う。BLSによると、米国における同職の給与(2023年の中央値)は約10万8020ドル(約1540万円)だった。

 データサイエンティストは、単に技術的なスキルや数学の知識を持つだけでなく、クリティカルシンキングを用いてデータの解釈を進めていく。この解釈があることで、企業は市場のトレンドや消費者行動を理解でき、ビジネス戦略の策定が可能になる。

 データサイエンティストには、以下のような技術とソフトスキルが求められる。

  • 統計学
  • 微分積分
  • 線形代数
  • コーディング
  • データ視覚化
  • 予測モデリング
  • 機械学習と深層学習(ディープラーニング)
  • データの整形(データラングリング)
  • モデルのデプロイメント(配備)と運用
  • ビジネスと技術の概念を理解していること
  • コミュニケーションスキル
  • 関係者と連携するコラボレーションスキル

 一般的に、データサイエンティストの求人ではコンピュータサイエンス、統計学、数学などの学士号が求められる。

 データサイエンティストは、近年のビッグデータの利用増加に伴い成長した職種だ。AI技術の台頭に伴いその役割は進化を続けており、今後も高い需要が見込まれる。BLSによれば、データサイエンティストの雇用数は2023年から2033年にかけて36%増加する見込みで、毎年平均約2万800件の雇用が創出されるという。

9.コンピュータシステムアナリスト

 コンピュータシステムアナリストは、クライアント企業向けにコンピュータシステムを設計する専門家だ。BLSによると、米国における同職の給与(2023年の中央値)は10万3800ドル(約1480万円)だった。

 コンピュータシステムアナリストは、クライアントのビジネスモデルを理解し、組織の特定のニーズや使用事例に最適な技術を調査する。主な目標は、クライアント企業の予算とニーズに適したハードウェア、ソフトウェア、ネットワークを備えたコンピュータシステムを設計することだ。

 コンピュータシステムアナリストは、他社向けにシステムを設計するクライアントサービス企業に雇用される場合もあれば、金融、医療、IT業界の企業に直接雇用される場合もある。

 コンピュータシステムアナリストには、以下のようなスキルが求められる。

  • コンピュータシステムとITに関する総合的な知識
  • ビジネスモデルとITの利用方法に関する包括的な理解
  • コンピュータサイエンスの一般的な知識
  • 技術やビジネスに関する最新の知識
  • クリティカルシンキングスキル
  • 研究スキル
  • コミュニケーションスキル
  • クライアントとの対話スキル

 コンピュータシステムアナリストの求人では、情報システムやコンピュータサイエンスの学士号が求められる。加えて、ビジネス関連の学士号や、修士号を持つ候補者が求められる場合もある。

 BLSによると、米国におけるコンピュータシステムアナリストの需要は、2023年から2033年にかけて11%の増加が見込まれており、毎年平均約3万7000件の雇用が創出されるという。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news191.gif

売上高100億円以上の企業に調査 生成AIの「マーケティング」への活用意向は?
ウイングアーク1stは、売上高100億以上の企業に勤務する部長などのマネジメント層535...

news131.jpg

Instagramでバカ正直に「広告」を明示するとリーチが下がる? 責任者の回答は……
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏は、自身のアカウントでの情報発信シリーズ...

news076.jpg

Xは? TikTokは? Metaは? トランプ氏勝利で笑うソーシャル、泣くソーシャル
4年ぶり2度目のトランプ政権が実現することで、主要ソーシャルメディア各社はどのような...