“年収1500万円”が狙える「ITエンジニア職種」はこれだ「稼げるIT系職種」9選【中編】

経済の先行きが不安定な中では、高収入が期待できる上に、ニーズが絶えない職種を見極めることが重要だ。稼ぎ続けたいエンジニアが選ぶべきIT系職種を紹介する。

2024年10月10日 07時00分 公開
[Amanda HetlerTechTarget]

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 不安定な雇用の波がIT業界に押し寄せている。技術者が今後のキャリアを考える上では、安定した需要が見込め、かつ高収入を得られる仕事を見極めることが重要だ。前編に続く本稿は、2024年に特に需要が高まると予測されるIT系職種9つのうち、3つを紹介する。年収1500万超えを狙えるのはどの職種なのか。それぞれの職務内容や求職者に求められるスキルを見てみよう。

“年収1500万円”が狙える「ITエンジニア職種」3選

4.ソフトウェア開発者

 ソフトウェア開発者は、ソフトウェアプログラム、アプリケーション、ネットワーク、OSなどを構築する。ソフトウェア開発エンジニア、ソフトウェアエンジニアとも呼ばれる。米国労働省労働統計局(BLS)によると、同職の米国における給与(2023年の中央値)は約13万160ドル(約1860万円)だった。

 ソフトウェア開発者の主な業務はコーディングでプログラムを構築することだが、ニーズの分析や、技術的な機能要件の計画、ドキュメントの作成、テストなどにも携わる。ソフトウェア開発者の職種としては、フロントエンド開発に焦点を当てたもの、バックエンド開発に焦点を当てたもの、もしくは双方に重点を置くものがある。

 ソフトウェア開発者を目指すのであれば、以下の知識と経験を持っている必要がある。

  • 「C++」「C#」「Python」「Java」「JavaScript」「.NET」「SQL Server」「Ruby」「HTML」など、複数のプログラミング言語でのコーディング経験
  • コンピュータサイエンスやソフトウェア開発の概念の理解
  • クリティカルシンキング(批判的思考)のスキル
  • コミュニケーションスキル

 エントリーレベルの求人では、通常コンピュータサイエンスの学士号が求められるが、短大の学位やコーディングブートキャンプの修了証のみ保有するケースも一部あるようだ。上級レベルの求人では、コンピュータサイエンスの修士号が求められることがある。

 BLSの予測では、米国におけるソフトウェア開発者の求人数は2023年から2033年にかけて17%増加し、毎年平均14万100件の雇用が創出されるという。

5.コンピュータネットワークアーキテクト

 コンピュータネットワークアーキテクトは、広域ネットワーク(WAN)、構内ネットワーク(LAN)、イントラネットなど、企業のネットワークの設計と構築を担う。BLSによると、同職の米国における給与(2023年の中央値)は12万9840ドル(約1850万円)だった。

 オフィス間の単純な接続構築から、複数の顧客向けのクラウドアーキテクチャ設定まで、コンピュータネットワークアーキテクトの仕事は多岐にわたる。詳細なネットワークの計画を作成して経営陣に提示したり、ネットワークに関するハードウェアとソフトウェアを適切なメンテナンスとアップグレードを実施したりすることもコンピュータネットワークアーキテクトの役割だ。

 コンピュータネットワークアーキテクトには以下のスキルが求められる。

  • ネットワーク技術の専門知識
  • ビジネスITの理解
  • コンピュータサイエンスの一般的な知識
  • 対人スキルとプレゼンテーションスキル
  • ビジネスモデルを理解する能力
  • コンピュータとネットワーク管理の知識

 コンピュータネットワークアーキテクトは、コンピュータサイエンス、情報システム、もしくは関連分野の学士号が求められる。競争の激しい職種の場合は、情報システムの修士号を持つ候補者が有利になる場合もある。

 コンピュータネットワークアーキテクトはネットワーク管理やデータベース管理、コンピュータシステムアナリストとしての5~10年の実務経験が必要だ。そのため、初級者レベルの仕事はないと考えていい。

 IT需要の急増もあり、米国におけるコンピュータネットワークアーキテクトの雇用数は2023年から2033年にかけて13%増加し、毎年平均1万2300件の雇用が創出されるとBLSは予測する。

6.DevOps(開発と運用の融合)エンジニア

 DevOps(開発と運用の融合)エンジニアは、開発部門とIT部門の両方と連携して、開発プロセスを最適化する。求人サイトを運営するIndeedによると、米国における2023年の平均年収は約12万1749ドル(約1740万円)だった。

 DevOpsエンジニアは、ソフトウェアのライフサイクル全体を通して、運用面の課題に取り組み、開発上の問題を解決する。開発チームと運用チームの橋渡し役となり、ソフトウェア開発プロセスをスムーズに進める。DevOpsエンジニアはCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインなど自動化ツールの専門家でもある。

 DevOpsエンジニアは以下のスキルを持つことが求められる。

  • 「Python」「Java」「Ruby」などのプログラミング言語を用いたコーディングとスクリプト(簡易プログラム)の知識
  • 統合サーバ、テストツール、コンテナ、監視と分析のプログラム、ネットワークプロトコルなど、DevOpsツールに関する知識
  • 手動テストとプログラムによる自動テストのスキル
  • 「セキュリティニーズの判断」「技術的な問題の診断」「問題を解決するソフトウェアアップデートの開発」などに必要な分析スキル
  • 「Git」「GitLab」「GitHub」などの開発ツールを用いてソフトウェアコードを作成、修正するスキル
  • データベースと、データベース言語「SQL」の実用的な知識

 一般的に、DevOpsエンジニアにはコンピュータサイエンスもしくはエンジニアリングの学士号が求められる。ソフトウェアエンジニアリングやアプリケーション開発の実務経験が求められる場合もある。

 市場調査会社Allied Market Researchは、2020年に67億8000万ドルだったDevOpsのグローバル市場規模は、2030年には579億ドルに成長すると見込んでいる。


 次回も引き続き、高い収入と需要の伸びが見込めるIT系職種を紹介する。

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