AIアプリケーションの開発において、重要な要素の一つになるのが「どのプログラミング言語を選択するか」だ。選択の際に具体的に見るべき7つのポイントを解説する。
人工知能(AI)アプリケーションの開発において重要な要素の一つが、使用するプログラミング言語の選択だ。どのようなタスクや状況にも対処できる完璧なプログラミング言語は存在しない。だからこそ「どのプログラミング言語を選ぶか」は重要だ。選択する際は、以降で紹介する7つの点について考慮することが欠かせない。
各プログラミング言語に特有の構文やセマンティクス(プログラムの意味)は、ソースコードの記述や保守のしやすさに影響する。明確で簡潔なソースコードを記述できることは、プログラミング言語の要素として重要だ。ソースコードが簡潔になることで、スムーズに動作したり、理解しやすくなったり、保守しやすくなったりする利点がある。
ソースコードの柔軟性とは、開発者がどれ程容易にソースコードを変更したり改善したりできるかを意味する。読みやすくて簡潔なソースコードを書ける言語には、複雑な処理が少なく、更新や修正を迅速かつ容易に実行可能になる利点が見込める。
プログラミング言語は、統合開発環境(IDE)やライブラリ(プログラムの部品群)、フレームワーク(プログラム開発に必要な機能をまとめた枠組み)と併せて使用するのが一般的だ。成熟したプログラミング言語のライブラリやフレームワークは豊富だ。コミュニティーでさまざまな選択肢が用意されていることで、プロジェクトの迅速な進行につながる可能性がある。
ソースコードがどれだけ効率的に実行されるかは、拡張性やAIモデルのトレーニングにかかる時間、クラウドコンピューティングなどのコストに影響する。通常は適切なプログラミング言語を選択することで、実行ファイルを小さく、実行速度を速く、リソース消費を少なくでき、さまざまなシステム環境への移植性が向上する。
ソースコードの互換性と相互運用性も考慮すべきだ。ソースコードの互換性とは、異なるOSやハードウェアで機能するソースコードを適切に作成できる能力を指す。相互運用性とは、他のソフトウェアやハードウェアとデータをやりとりできる能力だ。AIプロジェクトでは、大規模かつ多様なデータセットを扱うことが一般的なため、相互運用性は互換性より重要視される。
社内における専門知識の価値を見逃さないようにしよう。たとえ新興のプログラミング言語がプロジェクトにとって最適に思えても、チームにとって馴染みのある言語を採用した方が、より優れたソースコードを迅速かつ低コストで作成できる可能性がある。必要な専門知識が社内にない場合、新しい人材の採用や、業務の外注を検討しよう。
プログラミング言語が人気かどうかは、熟練開発者やライブラリ、コミュニティーによるサポート体制の有無に影響する。例え技術的な観点からその言語が理想的に思えても、経験豊富な開発者が見つけられない場合は、最良の選択肢とは言えない可能性がある。
次回以降は、AIプロジェクトに最適なプログラミング言語を紹介する。
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