幅広い業界でAI技術を活用する取り組みが進んでいる。AIプロジェクトにおいて、プログラミング言語の選択がなぜ重要なのかを解説する。
機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術が飛躍的な進化を遂げ、ビジネスに新たな風を吹き込んでいる。AIアプリケーションの開発においてまず重要となるのが、適切なプログラミング言語を選ぶことだ。本稿は、プログラミング言語の選択がAIプロジェクトにもたらす影響を解説する。
他のアプリケーションやシステムと同様、AIモデルの構築では、信頼性が高くて保守しやすいソースコードの作成、テスト、デプロイ(配備)、そして継続的な改善が求められる。AIプロジェクトの要はソースコードであり、コーディングはまず適切なプログラミング言語を選ぶことから始まる。つまりプロジェクトの成功は、タスクに最適なプログラミング言語を選択できるかどうかに懸かっているのだ。
どのプログラミング言語でも特有の構文やセマンティクス(プログラムの意味)を用いて命令を記述する。そのソースコードはコンピュータが理解できる機械語に変換(コンパイル)されて、特定のタスクを実行できるようになる。
プログラミング言語にはそれぞれ長所と短所があり、どれを選ぶかがプロジェクトに大きな影響を及ぼす。例えば、ある言語はプロジェクトに必要とされる特定のタスクの処理に適している。ある言語は、ライブラリ(プログラムの部品群)やフレームワーク(プログラム開発に必要な機能をまとめた枠組み)、各種ツールを通じて必要な機能を容易に追加できる。ある言語は、他の言語より効率よくソースコードをコンパイルできる。特定のOSやハードウェアに特化した言語もある。
こうした個々の言語の特徴こそが、世の中にさまざまなプログラミング言語が存在する理由だ。自然淘汰(とうた)と進化のプロセスは技術領域でも観測される。開発者はより良い成果を上げるためにプログラミング言語の作成と改良に取り組む。その結果新しい言語が誕生し、古い言語はニッチな場所に追いやられるか、時には使われなくなる。
AIプロジェクトでは、大量データの処理や強力なI/O(データの入出力)、膨大な数学的計算といった独自の要件が求められる。現代のプログラミング言語の大半は、これらの要件にある程度対処できるものの、依然としてプロジェクトに適した言語を選ぶことは重要だ。最適ではないプログラミング言語を選んだ場合、コスト効率や精度、セキュリティ、信頼性などの面で、プロジェクトの競争力が失われてしまう可能性もある。
次回は、どのような基準でプログラミング言語を選ぶべきか解説する。
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