21世紀に登場した新世代のプログラミング言語「Elixir」「Go」「Groovy」「Kotlin」の人気が高まるのはなぜなのか。これらのプログラミング言語の特徴と魅力を解説する。
21世紀には便利な機能を備えたプログラミング言語が続々と登場し、現代の多様なニーズや技術に応える機能を提供している。最適なプログラミング言語を選択するには、それぞれのプログラミング言語の特性を見極めることが重要だ。特に人気が高まる新世代のプログラミング言語「Elixir」「Go」「Groovy」「Kotlin」の特徴と魅力を紹介する。
「Elixir」は、Webベースや分散サービスの構築に適した関数型プログラミング言語だ。関数型プログラミングとは、関数を用いてプログラムを構築する手法を指す。
プログラミング言語「Kotlin」と「Erlang」の“いいとこどり”とも言えるElixirは、開発スピードや耐障害性に優れており、並行処理による迅速なスケールアップが可能だ。
ただし、Elixirコミュニティーは他の主要言語と比べて規模が小さいため、問題解決が難しいと感じる場合がある。
「Go」は、WebサービスやAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の構築、バックエンドプログラミングに適するプログラミング言語だ。シンプルな構文と、一貫性のあるコード構造が特徴的で、学習が比較的容易とされる。型の違いによるエラーを防ぐ「タイプセーフ」(型安全)な言語であり、許可されたメモリ領域のみを使用する。異なる種類のデータをまとめて扱うことができるため、ソースコードの簡素化や、ビルドプロセスの効率化が可能だ。
Goでは並行処理により関数を非同期で実行できるため、効率的な処理が可能。標準ライブラリが充実しており、アプリケーションごとの専用ドライバやプラグインを作成する必要がないため、開発者はアプリケーションロジックやトラブルシューティングに時間を割けるようになる。
Goは、ソフトウェア品質評価企業TIOBE Softwareによるプログラミング言語ランキング「TIOBE Index」の2023年3月版でトップ10に入り、2024年6月版では過去最高の7位を記録した。
「Groovy」は、オブジェクト指向型、関数型、命令型、宣言型など、さまざまなスタイルで使用できるプログラミング言語だ。次のようなフレームワークと連携できる点がGroovyの強みとなっている。
Groovyは「Java」と互換性があり、Java仮想マシン(JVM)で動作する。Groovyは実行時にコードを一行ずつ機械語に翻訳する「スクリプト言語」として使用できるため、Java初心者でも使いやすいという特徴を持つ。Groovyはソースコードをバイトコード(プログラミング言語と機械語の中間言語)にコンパイルすることもでき、このバイトコードはJVM上で効率的に実行される。経験豊富なプログラマーは、コンパイル機能を利用して開発をスムーズに進めることが可能だ。
「Kotlin」はソースコード内の変数や式(値や演算子、変数などの組み合わせ)に対して型をチェックする「静的型付け」言語であり、シンプルな構文や高い安全性、Javaクラスとの相互運用性といった特徴を持つ。Kotlinは、型システムやデータクラスを活用しているため、ソースコードの再利用性を向上させる。堅牢(けんろう)性や再利用性を高め、よりバグの少ないソースコードの作成を可能にするプログラミング手法「関数型プログラミング」も使用できる。
Kotlinはビルドプロセスを効率化できるため、コードサイズを削減できる他、エラーを発見しやすい。「ドメイン固有言語」(DSL)を作成して、プログラミングの問題を排除することもできる。豊富なライブラリやビルド時間の短縮といったメリットのおかげで、Kotlinは多くの開発者を引き付けている。
次回は、開発者に人気のプログラミング言語「Python」「Ruby」「Rust」について解説する。
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