AI技術の台頭に伴い、ソフトウェア開発の在り方や、開発者に求められるスキルは変わりつつある。開発者はどう備えるべきなのか。
AI(人工知能)技術の進化により、ソフトウェア開発者に求められる役割は変わりつつある。ソフトウェア開発者はこれから活躍を続けるために、コーディングに限らず新たなスキルを獲得していく必要がある。ソフトウェア開発者にはどのようなスキルが求められるのか。
ソフトウェア開発の在り方が大きく変わりつつある背景にあるのは、AI技術を用いたコーディング支援ツール「GitHub Copilot」のような新たなツールの登場だ。GitHubでAPAC(アジア太平洋地域)フィールドサービス部門シニアディレクターを務めるピエルルイジ・カウ氏は、「企業や開発者、今後数年間でAI技術がもたらす変革に備えるべきだ」とアドバイスする。具体的に何をすべきなのか。
「これからの時代に求められるのは、AI技術を使いこなして生産性を高め、イノベーションを加速する開発者だ」とカウ氏は話す。だがAI技術には、他のツールや技術と同様、学習曲線(時間をかけても必ずしも成果が均等に上がるわけではないことを示したグラフ)が存在する。ツールや技術を効果的に使いこなすためには、ある程度の時間、継続して学習に取り組む必要がある。
今後のソフトウェア開発において特に重要なスキルとなるのが「プロンプトエンジニアリング」だ。これは、望ましい出力を得るために効果的なプロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)を設計したり改良したりする技術を指す。プロンプトエンジニアリングによって、より正確な出力をAIモデルから引き出すことができる。その結果、他社に先駆けてアプリケーションを製品化するなど、ビジネスを成長させる大きな変化を生み出すことができる。
加えてカウ氏は、ローコード(最低限のソースコードを記述)やノーコード(ソースコードを記述しない)の開発ツールの進化について言及する。ローコード/ノーコード開発ツールを使うことで、プログラミングの経験や知識がない人でもアプリケーション開発に参加できるようになり、ソフトウェア開発の民主化も進む。テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」を組み合わせたものも登場し、その利用ハードルはさらに低くなっている。
「これからの開発市場では、複合的スキルの需要が高まる」というのがカウ氏の予測だ。UX(ユーザーエクスペリエンス)、サイバーセキュリティ、データサイエンスといった幅広い分野の知識を持ち、より使いやすい、かつ堅牢(けんろう)なアプリケーションを開発できる人材が必要となる。成功するのは継続的にスキルを磨いていける開発者だ。
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