ソフトウェア開発者は、ビジネスにおいてますます重要な役割を担うようになっている。今後、キャリアアップを目指す開発者は、どのような専門性を身に付けていると有利なのか。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代のビジネスにおいては、ソフトウェア開発のスピードと品質が企業の成功の鍵を握っているといっても過言ではない。企業にとって「ソフトウェア開発者」という職業の重要性は増している。
ソフトウェア開発者に求められるスキルや役割は、担当する分野やプロジェクトの特性によって大きく異なる。ソフトウェア開発者として活躍するためには、どのような専門性を持つべきなのか。
ビジネスのデジタル化を支えるソフトウェア開発のスピードは、ますます加速している。ソースコード共有サービス「GitHub」を運営する企業GitLabが2024年6月に公表した「年次グローバルDevOps(開発と運用の融合)レポート」によると、約69%のCxO(企業の経営幹部や最高責任者)が「2023年と比較して、少なくとも倍の速さでソフトウェアをリリースしている」と回答した。調査は2024年4月に、世界中の5300人以上の経営幹部(CxO)、ITリーダー、開発者、セキュリティおよび運用の専門家を対象に実施した。
開発者がビジネスに与える影響は非常に大きい。革新的な製品を他社に先駆けてリリースしたり、優れたUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供したりするには、開発者の存在が不可欠だ。。ソースコード共有サービス「GitHub」を運営するGitHub社でAPAC(アジア太平洋地域)フィールドサービス部門シニアディレクターを務めるピエルルイジ・カウ氏は、「先進的な企業は、戦略成功の鍵は開発者が握っていることを理解している」と話す。
ソフトウェア開発は、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)の各段階――計画、設計、コーディング、テスト、保守――から成り立つ。新規ソフトウェアの開発であっても、既存ソフトウェアへの新機能追加やバグの修正であっても、SDLCに沿って進められる。
ソフトウェア開発には、幾つかの専門的な役割が存在する。技術研修ベンダーHeicoders Academyの共同創設者コン・ユイ・ニン氏は、主なものとして以下の4つを挙げる。
コン氏は、ソフトウェア開発者を目指す人たちに、自身の関心や強みに合わせて専門分野を選ぶように勧める。例えば、デザインやエンドユーザーからのインタラクション(システムとやりとりする動作や反応)に関心がある人は、フロントエンド開発が向いている。データやサーバロジックの仕組みに関心がある人は、バックエンド開発が適している。
両方に関心がある場合は、フルスタック開発が理想的だ。ソフトウェアをスムーズかつ効率的に動作させることに関心がある場合は、DevOpsが適するだろう。「まずは個人で開発してみて、開発のさまざまな側面を経験し、最も楽しいと感じる分野を見極めるのがお勧めだ」と同氏は語る。
DXベンダーTemusでテクノロジー部門のマネージングディレクターを務めるラジェシュ・ラオ氏は、ソフトウェア開発における他の役割についても挙げる。
次回は、ソフトウェア開発で代表的なプログラミング言語や開発ツール、開発手法を解説する。
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