「Git×ネットワーク管理」がさらにはかどる“無料ツール”はどれ?ネットワーク管理でGitを活用【後編】

ネットワーク管理で「Git」を使う際、その実力を引き出すさまざまなオープンソースツールを活用できる。ネットワーク管理に役立つツールと、Gitの利点および欠点、従うべきベストプラクティスをまとめた。

2024年09月02日 05時00分 公開
[Verlaine MuhunguTechTarget]

 バージョン管理システム(VCS)である「Git」は、ソフトウェア開発で普及しているオープンソースツールだ。ただしGitが活躍する場はソフトウェア開発だけではない。ネットワーク管理もその一つだ。Git以外にも、ネットワークやインフラ管理に役立つ無料のオープンソースツールは複数ある。どのようなツールがあり、どう活用できるのかを見ていこう。

「Gitによるネットワーク管理」に役立つ無料ツールは?

 以下に、それぞれのツール名と役割を列挙する。

  • Git
    • 高速かつスケーラブルな分散型VCS。
    • ソースコードや設定の変更を追跡する。
  • Ansible
    • システムの構成と管理に役立つ自動化ツール。
    • ネットワークデバイス、サーバ、クラウドサービスでのタスクを自動化できる。
  • Python
    • ネットワーク自動化で主流のプログラミング言語。
    • 明快な構文、可読性、優れたデバッグ機能といった点で人気を博している。
  • CLI(コマンドラインインタフェース)
    • エンドユーザーがコマンドを用いてPCを操作するための一般的なインタフェース。
    • Gitは標準ではCLIで使用することが想定されている。

 Gitは、ソースコード管理を支援するためにこれらのツールと連携できる。例えばAnsibleにおいて、Gitを使ってリポジトリからソースコードを取得するといった自動ワークフローを設計可能だ。

Gitの利点

 Gitが分散型VCSとしてネットワーク管理者や開発者から支持を得ている主な理由は以下の通りだ。

  • 処理速度とスケーラビリティに優れる
  • ソフトウェア開発分野において、VCSとしての地位を確立している
  • 豊富なドキュメントがある
  • 巨大なコミュニティーがある
  • 世界中にメンバーが分散しているチームが、共同作業をする上でブランチ機能が役立つ
  • オープンソースであり、無料で利用できる

Gitの欠点

 複数の利点がある一方で、Gitには幾つかの欠点もある。

  • ソフトウェア開発の考え方になじみのないネットワーク管理者が、使い方を学ぶのは簡単ではない
  • ツール、専門用語、機能、手順を理解するには訓練が必要になる
  • リポジトリの容量が膨れ上がり、ストレージを大量に消費する可能性がある

Gitのベストプラクティス

 ネットワーク管理者がGitで作業する際に従うとよいベストプラクティスを以下に挙げる。

  • リポジトリを設定する
  • ブランチに命名規則を策定する
  • メインブランチの変更を保護する
  • コミットメッセージの標準を策定する
  • タグを使用する
  • 変更をマージ(統合)する際に「プルリクエスト」を使用する
    • プルリクエストは、他のエンドユーザーに対して変更をレビューしてもらうためのリクエスト。レビュー担当者は結果に応じて、変更担当者に修正を依頼する。変更内容に問題がなくなった段階で、マージ担当者は変更をマージする。

 Gitは強力なツールだ。ネットワークでは自動化とソフトウェアが存在感を増しているため、複雑なインフラを管理するネットワーク管理者にとっては、Gitを使う能力が重要なスキルとして浮上する可能性がある。

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