「プロジェクト炎上」は“たった15分”の簡単な方法で防げる?ソフトウェア開発者のキャリアガイド【第5回】

ソフトウェア開発のプロジェクトが炎上すると、火消しが簡単ではなくなることがある。燃え上がる前に対処することが重要だ。ソフトウェア開発者は仕事をどう進めるのが望ましいのか。

2024年09月12日 08時00分 公開
[Aaron TanTechTarget]

 ソフトウェア開発の現場では、プロジェクトが計画通りに進行せず予算や品質などの大きなトラブルを引き起こす、いわゆる「炎上プロジェクト」が発生することがある。いったん炎上すると火消しは簡単ではない。「開発現場で活躍したい」「キャリアアップを目指したい」と考えるソフトウェア開発者が知っておくべき、プロジェクトを炎上させない方法を解説する。

プロジェクトを炎上させない方法

 DX(デジタルトランスフォーメーション)ベンダーTemusでテクノロジー部門のマネージングディレクターを務めるラジェシュ・ラオ氏は、プロジェクトの円滑な進行と成功を支える具体的な施策として、以下を挙げる。

  • コミュニケーションプロトコルの定義
    • プロジェクトチーム内および外部の関係者との間で、どのように情報を共有し、連絡を取り合うかのルールや手順を明確にする。これによって、全員が同じ情報を共有し、誤解や情報の漏れを減らせる。
  • スタンドアップミーティングの実施
    • 毎日15分程度のミーティングを実施し、各メンバーの進捗状況や課題、取り組むタスクについて報告する。メンバー全員が現在の状況を把握することで、問題が発生した際に迅速に対処できる。
  • アジャイルセレモニーの実施
    • アジャイル型開発手法に基づくセレモニー(定期的な会議やイベント)を開催する。具体的には、スプリント計画ミーティング(次の作業期間の計画を立てる会議)や、スプリントレビュー(完了した作業の確認)、レトロスペクティブ(振り返り会議)など。セレモニーの定期開催は、進捗状況の把握や、プロセスの継続的改善に役立つ。
  • 担当者の特定
    • 会議の進行担当者を決める。責任の所在を明確化することは、会議の効果的な運営につながる。
  • リスクの管理
    • プロジェクトの進行中に発生する可能性のあるリスクを予測し、そのリスクをどう管理するかを計画しておく。問題が発生する前に対策を講じることで、プロジェクトの遅延や失敗を防ぐ。
  • 外部システムとの技術的依存関係の調整
    • プロジェクトが外部のシステムやサービスに依存する場合、その連携を円滑に進めるための調整が必要だ。例えば、他社のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使用する場合、APIの変更がプロジェクトに影響を与えないように注意する必要がある。

 次回は、開発チームのコラボレーション促進に役立つツールやその活用方法を紹介する。

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