どうなる米国の“TikTok禁止法” トランプ新政権が命運を握る?1億7000万人以上に影響

米連邦控訴裁判所は、TikTokの米国内での利用禁止につながる新法を合憲と判断した。危機に直面しているTikTokに救いの手を差し伸べる可能性があるのが次期大統領のトランプ氏だ。何が起こっているのか。

2024年12月10日 12時30分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

関連キーワード

プライバシー | 個人情報保護 |SNS


 米連邦控訴裁判所は2024年12月6日(現地時間)、ショート動画共有サービス「TikTok」の米国内での利用禁止につながる新法を合憲と判断した。窮地に追い込まれたTikTokに救いの手を差し伸べる可能性があるのが次期大統領のドナルド・トランプ氏だ。訴訟の経緯を整理する。

“TikTok禁止法”の内容とは

 新法は2024年4月、米国議会を通過した。同法は、TikTokの親会社ByteDanceにTikTokの米国事業売却か、アプリケーションストア(以下、アプリストア)に同アプリの削除を迫るものだ。アプリストアを提供するAppleとGoogleは同法に従わない場合、罰金を科される可能性がある。

 連邦控訴裁判事のダグラス・ギンズバーグ氏は、今回の判断について「TikTokとユーザー両方に重大な意味をもたらす」と述べる。ByteDanceが2025年1月19日までに事業を売却するか、大統領が売却期限を90日間延長しない限り、米国でTikTokを使うことはできなくなる見通しだ。TikTokユーザーは、代わりのコミュニケーション手段を見つけなければならなくなる。

 新法は、米中関係の冷え込みに加えて、欧州のサイバーセキュリティ機関から中国のサイバー諜報活動に対する非難が相次ぐ中で成立した。TikTokは、米国内での利用禁止は米憲法修正第1条が定める言論の自由を侵害するとして、新法の差し止めを求めて提訴したが、連邦控訴裁は今回、申し立てを退けた。

 ギンズバーグ氏は「米憲法修正第1条は、米国の言論の自由を守るために存在している」と説明する。「政府は敵対国からその自由を守り、敵対国が米国民のデータを収集する能力を制限するためだけに行動した」(同氏)

 TikTokは、米最高裁判所に上告する方針だ。同社のスポークスマンは「最高裁は米国民の言論の自由を保護してきた実績がある。この重要な憲法問題についてもその通りの行動を取ることを期待している」と述べる。

頼みの綱はトランプ次期大統領

 TikTokの希望は、2024年11月の米国大統領選で当選したドナルド・トランプ氏が率いる新政権の存在だ。トランプ氏は前政権時代の2020年、TikTokの利用を禁止する動きを主導したが、バイデン政権の動きを見て心変わりした可能性がある。トランプ氏は、2024年の大統領選でTikTokの利用禁止に反対する姿勢を示し、TikTokユーザーに投票を呼び掛けていた。

TechTarget.AIとは

TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news113.jpg

インフルエンサーをAIが淘汰? BoseのCMOが語るこれからのブランド戦略
Bose初のグローバルマーケティング責任者であるジム・モリカ氏が、感情に訴えるマーケテ...

news035.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2024年12月)
ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の、国内売れ筋TOP10を紹介します。

news106.jpg

中小企業にマーケティングオートメーションは本当に必要? ベンダー4社がぶっちゃけトーク
導入や初期設計の難しさから挫折してしまう企業も少なくないMAツールを中小企業に使いこ...