ストレージをサービスとして利用する「STaaS」は企業のデータ管理にさまざまな利点をもたらす。STaaSには主に3種類あり、自社のニーズに合う選択が重要になる。それぞれの特徴を簡潔に説明する。
データ活用が進む中、企業は費用や利便性といった観点からデータの保存場所を考えることが重要になっている。選択肢の一つは、ストレージをサービスとして利用する「STaaS」(Storage as a Service)だ。STaaSには3つのタイプがあり、それぞれメリットや注意点が違う。具体的にはどのようなものなのか。
STaaSには、パブリッククラウド、プライベートクラウド、コロケーションサービスの3つのタイプがある。それぞれどのような特徴があるのかを見てみよう。
パブリッククラウドでは、クラウドベンダーが共有のインフラを用いてSTaaSを提供する。代表例は、Amazon Web Services(AWS)が2006年に提供を始めたオブジェクトストレージサービス「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)だ。ユーザー企業は保存したデータ量のGB単位で課金される。可用性やデータ転送速度を抑えた安価なプランも存在する。
パブリッククラウドとしてのSTaaSは、実質的に無制限のストレージ容量を利用できることがメリットだ。必要に応じて容量を増やしたり減らしたりすることもできる。
プライベートクラウドとしてのSTaaSは、共有のインフラを利用するのではなく、1つのユーザー企業に対して専用のインフラを提供する。そのため、オンプレミス型STaaSとも呼ばれる。プライベートクラウドとしてのSTaaSは、「インフラを自ら制御できない」や「ベンダーでの問題によるサービス停止のリスクがある」といったパブリッククラウドの課題を解決し、より自社ニーズに適した利用が可能になる。
一方でプライベートクラウドとしてのSTaaSの場合、ベンダーが100TBの最低利用容量や、1年から3年の最低契約期間などを設けることがある。中には1カ月という短い期間から、より少ない容量で契約できるベンダーもある。
第3の選択肢は、コロケーションサービスを利用することだ。この形態では、STaaSを提供するベンダーがパブリッククラウドプロバイダーや地域のネットワーク接続拠点の近くにインフラを設置し、ユーザー企業はインターネットを介してストレージを使う。ユーザー企業は、低遅延や共有インフラの利用によるコスト削減といった利点を享受できる。
コロケーションサービスとしてのSTaaSは、スナップショット(データのイメージを作成し保存する仕組み)やデータレプリケーション(データの複製)などの機能が使える点において、プライベートクラウドに類似する。ただし、専用インフラを使えるわけではないので、ストレージを利用するためのネットワーク利用料が発生する。
後編は、STaaSのセキュリティを考える。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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