従業員の「iPhone」がジェイルブレークされた場合、企業はさまざまなセキュリティリスクに直面する。ジェイルブレークされたデバイスを元に戻すには、どうすればいいのか。
「iPhone」をはじめとしたAppleの「iOS」デバイスの一部のセキュリティ機能を解除することを「ジェイルブレーク」(脱獄)という。ジェイルブレークはマルウェア感染やデータ漏えいなど、企業にさまざまなリスクをもたらす。企業は「モバイルデバイス管理」(MDM)ツールを利用することで、ジェイルブレークされたデバイスを3つのステップで修正できる。本稿はその手順を紹介する。
MDMツールがジェイルブレークされたデバイスを検出した後、企業は直ちにリスクを評価し、対処する必要がある。まず実施しなければならないのは、デバイスの隔離だ。ジェイルブレークされたデバイスのネットワークアクセスを制限し、情報漏えいを防ぐ。次に、デバイスの活動を監査することが重要だ。MDMツールのログを確認し、不審なアプリケーションのインストールや、異常なデータアクセスのパターンを特定する。
リスクを評価した後、ジェイルブレークされたデバイスを安全な状態に修復する。企業はMDMツールを使って、強制的にデバイスをリモートから工場出荷時の状態にリセットできる。リセット後は、MDMツールを用いてデバイスを「監視モード」にすることで、デバイスが再度ジェイルブレークされるリスクを低減できる。
最後に、MDMツールでセキュリティスキャンを実施することで、ジェイルブレーク状態を解除し、デバイスが安全であることを検証できる。
MDMツールを使ったリモートでの修復が不可能な場合、従業員にジェイルブレークを解除し、デバイスを標準状態に戻してもらうことができる。これは専用アプリケーションを使用し、デバイスをPCに接続することで実施可能だ。
手動修正の最初のステップは、データのバックアップだ。Appleのオンラインストレージサービス「iCloud」やローカルストレージを使用してデバイスのデータをバックアップできる。
ジェイルブレークを除去するための完全なデバイスリセットには、PCによる復元が効果的だ。「Windows」またはバージョン10.14以前の「macOS」を使用している場合、最新バージョンの「iTunes」を用意する必要がある。バージョン10.15以降のmacOSの場合、ファイル管理ツール「Finder」を使用できる。修復作業を確実に実施するためには、USBケーブルでデバイスをPCに接続する必要がある。
PCでiTunesまたは「Finder」を開き、接続されたデバイスを選択すると、画面にデバイス情報が表示される。そこでデバイスを復元するためのオプションを選択する。復元が完了すると、デバイスのジェイルブレーク状態は解消され、最新バージョンのiOSが自動でインストールされる。
後編は、ジェイルブレークの予防方法を取り上げる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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