通信を理解するための基礎となる「OSI参照モデル」。その成り立ちを振り返り、なぜ今も学ぶ価値があるのかを利点、欠点の両面から整理する。
通信を7つのレイヤー(階層)に分けて役割を定義する「OSI参照モデル」は、ネットワークを体系的に学ぶための基礎となる。第3回「『データはどう流れるのか』――OSI参照モデルで“通信の仕組み”を解説」までに、各レイヤーそれぞれの役割や、レイヤー間のデータの流れなどを解説した。第4回となる本稿は、OSI参照モデルが生まれた背景を押さえながら、現場での使いどころを見極めるために、その利点と欠点を整理する。
1970年代、技術者たちはコンピュータ上のシステムがネットワークを介して相互通信する方法を標準化しようとした。その後数年間、さまざまなネットワーク参照モデルが作成され、発表された。ISO(国際標準化機構)が複数の参照モデルをまとめ、1984年に公開したのがOSI参照モデルだ。それ以降、世界中の技術企業がネットワーク技術の基盤としてOSI参照モデルを活用している。
ISOは、ネットワーク上の異なるシステム間でデータを送受信する機能や役割を、複数の抽象的なレイヤーに配置した。各レイヤーが、通信の過程の一つを担う仕組みだ。各レイヤーを構成要素の一つと捉えるが、相互に連携して動作する。
OSI参照モデルは「理論モデルに過ぎない」と見なされがちだが、運用の現場における基礎になるものだ。設計書や製品仕様を読み解くためにもOSI参照モデルの理解は欠かせない。OSI参照モデルの利点をまとめると以下の通りだ。
OSI参照モデルはあくまで“概念モデル”であることから、現場の実装に必ずしも一致しない場合もある。欠点として指摘される点は次の通りだ。
次回は、OSI参照モデルとTCP/IPモデルの違いを整理する。
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