AIによる「スキル陳腐化」を防ぐ Red Hatの新パートナー支援策とはパートナー企業の「生き残り戦略」強化

AI技術の台頭によって、IT分野のパートナー企業に求められるスキルは変化している。Red Hatは同社製品の販売を拡大させるために、パートナー企業の技術力とノウハウを強化する支援策を発表した。どう支援するのか。

2025年09月10日 06時00分 公開
[Simon QuickeTechTarget]

 IBM傘下のソフトウェアベンダーRed Hatは2025年7月、パートナープログラムを強化する新しい施策を発表した。パートナー企業が持つ専門技術を公式に認定し、マーケティング活動を自律的に展開できるように支援することで、Red Hat製品の販売拡大を図る。

提案力、マーケティング活動、専門知識を強化

 Red Hatでパートナーエコシステムサクセスを担当するステファニー・チラス氏(シニアバイスプレジデント)は、今回の支援強化の背景を次のように説明する。「AI(人工知能)技術と仮想化技術の進化が、あらゆる業界を再構築している。われわれは新しい支援策でパートナー企業の技術力を高め、ユーザー企業に対してさまざまな提案ができるようにすることを目指す」

 支援強化の主軸となるのが、新しいパートナープログラム「Red Hat Specialized Partner Program」だ。このプログラムは、特定分野におけるパートナー企業の高度な技術や知識をRed Hatが公式に認定するものだ。「Red Hat Specialized Partner Programは、ユーザー企業のITライフサイクル全体を支援できる、パートナー企業の高度な専門知識を認定し、市場への参入を後押しする」(チラス氏)

 この認定プログラムによって、パートナー企業は自社の強みを示しやすくなる。対象となる専門分野は以下の通りだ。

  • 構成管理ツール「Red Hat Ansible Automation Platform」
  • PaaS(Platform as a Service)構築ソフトウェア「Red Hat OpenShift」
    • OpenShiftの専門分野は、仮想化、コンテナ、アプリケーション開発の3領域に細分化され、より専門的なスキルが証明できるようになる。
  • 「Linux」ディストリビューション(配布パッケージ)「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)
  • 大規模言語モデル(LLM)開発ツール「Red Hat Enterprise Linux AI」(RHEL AI)

 併せて、Red Hatは「Partner Demand Center」の開始も発表した。Partner Demand Centerは、パートナー企業がRed Hat製品に関するマーケティング施策を実施しやすくするプログラムだ。パートナー企業は、ワークショップやウェビナーの登録ページ作成といった、マーケティングキャンペーンを展開する際の作業を自動化できる。チラス氏によると、既存のユーザー企業や見込み客に対してRed Hatのブランドを訴求し、受注につなげる狙いがある。

 今回の発表では、リベート(販売報奨金)戦略の強化も明らかになった。Red Hatは新たなリベート機会を追加、拡大することで、パートナー企業の収益性を高め、製品の成長を促進することを目指す。特にRed Hat Ansible Automation PlatformとRed Hat OpenShiftの販売に力を入れる方針だ。

 Red Hatはこれらの施策を通じて、「パートナー企業がより自律的にビジネスを成長させられる選択肢と機会を提供していく」と強調する。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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