Windowsの更新はさまざまな原因からフリーズする可能性がある。原因を特定するための設定確認やシステムの復元など、基本的な対処法だけでは解決しない場合の選択肢を紹介する。
MicrosoftのクライアントOS「Windows」の更新管理機能である「Windows Update」。最新のバージョンや修正プログラム(パッチ)を適用するための重要な仕組みだが、その更新機能に不具合が生じ、PC全体の動作に悪影響が及んだり、業務ができなくなってしまったりすることがある。
前編「Windows更新で『PCが突然フリーズする』原因とトラブル解消法“5選”」では、Windows Updateがフリーズした際にまず試すべき基本的な対処法を紹介した。それでも改善が見られない場合は、さらに踏み込んだ対応が必要となる。トラブルシューティングの5つのステップを紹介する。
基本的なトラブルシューティングの手順を試しても解決しない場合、Windows Updateの設定自体に問題がある可能性がある。以下の項目を順に確認しよう。
「設定」から「Windows Update」に進み、保留中の更新がないかどうかを確認する。再起動が必要な更新が残っている場合、それが原因でフリーズしている可能性がある。
グループポリシーとレジストリのWindows Updateに関する設定が正しいかどうかを確認する。
必要に応じて、最新のサービススタック更新プログラム(SSU:Windowsを更新するためのコンポーネントであるサービススタックに対する修正)をインストールする。SSUは、累積更新プログラムで発生する可能性のある問題を解決するために公開されることがある。
Windows Updateのサービスを一時的に停止し、再起動することで問題が解決する場合がある。具体的には、以下の手順で実施する。
問題の詳細を確認するために、Windows Updateのログファイルの調査も有効だ。以下の場所にログファイルが格納されている。
Windows Updateが正常に機能しない場合は、更新プログラムを手動でインストールする方法もある。Microsoftが提供する「Microsoft Update カタログ」から、必要な更新プログラムを直接ダウンロードして適用できる。
最も簡単な検索方法は、KB番号(Knowledge Base:マイクロソフトが提供する技術情報の管理番号)を使うことだ。KB番号が分からない場合は、OSのビルド番号や、セキュリティ更新・機能更新といった更新種別などを手掛かりに絞り込むことも可能だ。
Microsoft Updateの問題は、必ずしもクライアントPC側に原因があるとは限らない。特に複数のPCで同様の問題が発生している場合、問題はより広範な更新インフラに起因している可能性がある。このような場合、以下のような確認を実施するとよい。
これらの手順は、サーバ側の問題を疑う際に重要だ。だが、まずはどのクライアントPCが影響を受けているか、そのPCがどこに配置されているかを特定することが、原因の絞り込みに大きく役立つ。
最近適用された更新プログラムがフリーズの原因となっている可能性がある場合、その更新プログラムのアンインストールを試みる。「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストールする」と進み、問題の原因と考えられる更新プログラムを選択してアンインストールする。
アンインストールができない場合や問題が解決しない場合は、「システムの復元」を利用してPCを以前の正常な状態に戻すことを検討する。ただし、復元ポイントが存在する場合に限られる。復元ポイントの有無を確認する手順は以下の通り。
復元ポイントが存在すれば、PCをその時点の状態に戻すことができ、最近の変更による不具合を回避できる可能性がある。
これまでの手順を試しても問題が解決しない場合、OSのリセットや再インストールといった抜本的な対策が必要になる場合がある。OSのリセットはWindowsを初期状態に戻す方法であり、次の2つの方法がある。
PCをリセットするには、「設定」→「システム」→「回復」と進む。「このPCをリセット」の項目で「PCをリセットする」をクリックし、画面の指示に従う。場合によっては、セーフモードで起動してからリセットする必要がある。
リセットが不可能な場合は、Windowsのクリーンインストールの実施も選択肢の一つになる。クリーンインストールの具体的な手順は組織によって異なるが、これは最後の手段として、最も効果的かつ迅速な解決策となる場合がある。
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