データが生成される場所で処理を実施して洞察を得る「エッジ分析」は企業にさまざまな利点をもたらすが、実施に当たっての課題もある。エッジ分析の課題と解決方法を紹介する。
現場で収集したデータをデータセンターに送信し現場から離れた所で分析すれば、遅延が発生してリアルタイム分析ができない可能性がある。データが生成される場所で処理を実施し遅延を避けられるのは、「エッジ分析」だ。エッジ分析は製造や物流、小売りなどさまざまな業界で注目を集めている。しかしエッジ分析の実施に際しては課題もある。どのようなものなのか。
一般的に、エッジ分析を採用するかどうかは、具体的なユースケースによる。前編でも取り上げたような、機械の故障予測や配送ルートの最適化といった「すぐにリアクションが必要なユースケース」だと、エッジ分析が最適だ。一方で、長期にわたるパターン分析やトレンド分析といった高度なデータ処理が必要な場合は、計算能力に優れたデータセンター(クラウドサービス)でデータを分析したほうがいいと考えられる。
エッジ分析に取り組む際に課題として直面するのは、さまざまなセンサーで集めてそれぞれフォーマットが違うデータの統合だ。データを分析しやすくするために、データを標準化する必要がある。どの機械やセンサーで取得したデータでも、全てのデータに互換性を持たさなければならない。Amazon Web Services(AWS)の「AWS IoT Greengrass」やMicrosoftの「Azure IoT Edge」など、大手ベンダーのIoTサービスを利用すれば、データ管理を簡素化できる。
企業はエッジ分析を成功させるために、まずパイロットプロジェクトを立ち上げ、段階的に取り組むことが有効だ。
エッジ分析は技術だけではなく、人間のスキルも問われる。エッジでデータを処理すれば、異常検出の際にすぐにアラートが発され、担当者は即座に対応しなければならない。そのため、エッジ分析を採用した現場は、レポート分析よりも迅速な対応力が求められる。企業はスキルギャップが生じないようにするために、従業員向けのトレーニングが重要だ。自社でのアラート対応が難しければ、ベンダーによるマネージド型サービスを利用するという手もある。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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