Oracle Databaseはいまどうなっているのか? Google Cloud連携とAI対応の行方AIも利用しやすく

マルチクラウド戦略に注力しているOracleは、同社データベースと「Google Cloud」の連携を強化している。AI機能や新リージョンの追加など、「Oracle Database@Google Cloud」の主な機能強化の内容を説明する。

2025年10月29日 05時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 日本オラクルは2025年10月24日、Oracleのデータベース製品をGoogleの「Google Cloud」で実行するためのサービス「Oracle Database@Google Cloud」の機能強化を発表した。機能強化の具体的な内容と、ユーザー企業にとってのメリットを見てみよう。

機能強化で変わった「4つのこと」

 Oracle Database@Google Cloudは、Google CloudインフラでOracleのデータベース製品の稼働を可能にする。OracleはGoogle Cloudだけではなく、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftとも手を組み、同様の連携に取り組んでいる。これによって、ユーザー企業はマルチクラウド(複数のクラウドサービスの組み合わせ)インフラでOracle Databaseを利用し、イノベーションの加速や運用コストの削減につなげられるという。

 今回のOracle Database@Google Cloudの機能強化は、主に以下のことを柱としている。

  • 高性能データベース「Oracle Exadata Database Service」の一般提供を開始
    • 従量課金制でOracle Exadata Database Serviceを利用できるようになるため、企業の規模を問わず、小規模から導入が可能だ。
  • データベース「Oracle Base Database Service」の一般提供を開始
    • 「Oracle Database Enterprise Edition」または「Standard Edition」をクラウドインフラで利用可能にするサービス。データベースをサービスとして利用可能にするため、データベースインフラ管理の簡素化やアプリケーション開発の迅速化を実現できる。
  • 「Oracle Autonomous AI Lakehouse」の一般提供を開始
    • オープンソースのデータ表形式「Apache Iceberg」をAIサービスの「Oracle AI Database 26ai」「Oracle Exadata」「Oracle Autonomous AI Database」と組み合わせて、AI活用やデータ分析を可能にするためのサービス。Google CloudのAIサービス「Gemini」や「Vertex AI」も連携可能になる。
  • 新しいリージョンの追加
    • オーストラリア南東部2(メルボルン)、北米北東部1(モントリオール)、米国中部1(アイオワ)の3つのGoogle Cloudリージョンを追加した。既存リージョンは、アジア北東部1(東京)、ドイツ中部(フランクフルト)、英国南部(ロンドン)、米国東部(アッシュバーン)、米国西部(ソルトレイクシティ)の5つだ。

 合わせて、Google CloudやOracleのパートナー企業は、「Google Cloud Marketplace」を通じてOracle Database@Google Cloudを購入し、ユーザー企業への再販や、自社製品への組み込みが可能になった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...