2026年第1四半期、世界のサーバ市場はAI需要の定着により、前年比30.4%増の約1226億ドルと過去最高水準に達した。プラットフォームの非x86化や大手OEMのシェア奪還など、情シスの選定戦略を揺るがす構造変化が加速している。
調査会社IDCが2026年6月15日に発表した「Worldwide Quarterly Server Tracker」によると、2026年第1四半期の世界サーバ市場のベンダー売上高は1226億ドルに達した。これは前年同期比で30.4%の増加となる。2025年後半の記録的な成長ペースと比べるとコンポーネントの供給制約により勢いはやや落ち着いたものの、依然として高い成長を維持している。
現在の市場を形成しているのは、二つの異なるダイナミクスだ。1つは、ハイパースケーラーや大規模クラウドプロバイダーによるAIインフラ投資が、頭打ちの兆候を見せない規模で継続していること。もう1つは、非アクセラレーター(内蔵アクセラレーターを持たないサーバ)セグメントで、需要は堅調ながらもコンポーネント(特にDRAMとNAND型Flashメモリ)の供給不足が短期的な出荷量を制限していることだ。IDCは短期的なサーバ市場の成長を阻んでいるのは需要ではなく供給だと分析している。
2026年第1四半期の結果は、AIインフラ投資がいまや世界規模かつ多角的な現象であることを示している。ハイパースケーラーや大手クラウドサービスプロバイダーは、2026年に数千億ドル規模の設備投資を計画しており、GPU最適化サーバプラットフォームへの大規模な需要を支えている。
また、AIインフラの採用は、もはや巨大パブリッククラウドに限定されない。「ソブリンAI」と呼ばれる、国家が管理するAIインフラを構築する政府主導の取り組みは40カ国以上に広がっており、民間の予算サイクルに左右されない政策主導の需要層を形成している。
一方で、非アクセラレーターセグメントは複雑な状況にある。売上高は前年同期比でわずかに減少したが、潜在的な需要シグナルは依然としてプラスだ。企業顧客はコンポーネント価格の高騰にも動じず投資を続けている。これは、インフラが単なる管理すべきコストと見なされていた時代からの大きな転換といえる。大手OEMベンダーは、DRAM、NAND、CPU、HDDの供給制約が短期的な成長を阻む主な要因だと指摘している。IDCでは、新工場の稼働による生産能力の改善に伴い、供給の正常化は2027年を通じて進むと予測している。
IDCのワールドワイド・エンタープライズ・インフラストラクチャ・トラッカー担当リサーチディレクター、フアン・セミナーラ氏は次のように述べている。「企業はインフラ投資を控えているわけではなく、単にサーバが必要な速さで手に入らないだけだ。長期的には、エージェンティックアプリケーションやフィジカルAIエコシステムといった新しいワークロードが、現在のサイクルを超えて需要を高水準に保つだろう」
米国は、世界売上高の64.9%に相当する796億ドル(前年同期比24.1%増)を創出し、引き続き支配的な市場となった。中国(PRC)は国内のAI投資を反映し、192億ドル(同30.9%増)となった。日本を除くアジア太平洋地域(APeJC)は97億ドル(同45.2%増)で、日本は好調だった2025年第1四半期の反動で16.1%減少した。
この他、西欧は76億ドル(同80.6%増)と好調。カナダ(同190.9%増)、中東・アフリカ(同121.4%増)、中南米(同64.1%増)も堅調な伸びを示している。
米Dell Technologiesは、AIサーバの記録的な受注に支えられ、売上シェア16.5%、前年同期比244.1%増という驚異的な実績で首位に立った。米Super Micro Computerは売上シェア7.6%、前年同期比128.9%増で2位を維持。中国Lenovoはシェア4.6%、前年同期比36.5%増で3位に浮上し、中国IEIT Systemsがシェア3.3%で4位となった。米Hewlett Packard Enterprise(HPE)はシェア3.0%、前年同期比17.2%増で上位5社に入った。ODM Directは615億ドルと絶対額では依然として最大だが、シェアは64.1%から50.2%へ低下している。
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