PowerPCといえば、Appleの「Macintosh」を連想する人も多いだろう。AppleがIntelチップへの移行を表明してから早3年。今回はPowerPCの変遷とその現状を紹介する。
自社のパーソナルコンピュータ「Macintosh」にPowerPCプロセッサを採用していた米Apple Computer(現Apple)は、2005年の開発者向けのイベントにおいて、CPUをPowerPCからIntelのx86系へと順次切り替えることを発表し、その後次々と製品を市場に投入した。現在、PowerPC系プロセッサは任天堂の「Wii」、ソニーの「プレイステーション3」(以下、PS3)、Microsoftの「Xbox 360」などの家庭用ゲーム機に採用されている。
今回は、PowerPCを取り上げる。優れたアーキテクチャを持っているが、そのビジネスモデルや標準化の動きには幾つか問題点があるといえる。
PowerPCは、米IBMと米Motorola(※)、Apple Computerの共同開発によって1991年に誕生した。その大本はIBMの「POWER(Performance Optimization With Enhanced RISC)」プロセッサであり、さらにさかのぼると世界最初の量産RISCプロセッサといわれる「IBM 801」までたどり着く。
※Motorolaの半導体部門は2004年に分離独立し、Freescale Semiconductor(以下、Freescale)となった。
IBM 801はもともと研究用に開発され、研究プロジェクトの一環としてCPUコアを製造したところ良い性能が出たため、実際にIBMのメインフレームの一部に利用されたいきさつがある。この点は、前回の「世界で最も多く出荷されたRISCプロセッサMIPSのサバイバル戦略」で紹介したMIPSに近いといえる。
このIBM 801をベースとして、後に「RS/6000」として知られるメインフレーム向けにIBMが開発したプロセッサが、「POWER1」である。AppleはそれまでMotorolaの68000系プロセッサを使ってMacintoshを製造していたが、より高い性能が必要と判断して新しい組み込み向けプロセッサの開発を決定。こうして3社が連携して開発を進め、POWER1のサブセットとしてPowerPCの初代となる「PowerPC 601」(PPC601)が誕生した。
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