「検知率保証」のメッセージラボ、国内でWeb脅威対策の新サービス開始NEWS

SaaS型メールセキュリティベンダーのメッセージラボは、Webからの脅威対策にフォーカスしたフィルタリングサービスを3月に開始する。

2009年02月19日 09時00分 公開
[堀見誠司,TechTargetジャパン]

 米Symantec傘下のメッセージラボ ジャパンは2月18日、企業向けのSaaS(Software as a Service)型Webセキュリティサービス「Managed Web Security Services」(以下、Webセキュリティサービス)を3月1日より開始すると発表した。同社が得意とするメールセキュリティ対策サービスのノウハウを生かし、Webを媒介とする脅威対策を国内展開する。

 本社の英MessageLabsは、メールを中心としたアンチスパム、アンチウイルスなどのマネージドセキュリティサービスをSaaSモデルで世界17都市に展開するベンダー。2008年11月の米Symantecによる買収によりSymantecのSaaS事業部門となり、国内でも営業拠点の統合を行った。同社のサービスの核となるのが、「Skeptic」という独自開発による自己学習型の複合脅威検知システム。Skepticと複数の商用ウイルス/スパム検知エンジンの組み合わせによる検知精度の高さを売りにしており、検知率や誤検知率にSLA(サービス品質保証契約)を設定しているのが特徴だ。

画像 Webセキュリティサービスの概要。ディレクトリを利用するとユーザーごとのポリシーに基づくURLフィルタリングが可能に

 3月に国内で開始予定のWebセキュリティサービスは、同社がメールセキュリティサービスで構築・蓄積した脅威検知システムやデータベースを利用する新サービスとなる。大きくは、アンチウイルス/アンチスパイウェアとURLフィルタリングの2種類の機能をSaaSとして提供し、ユーザーが不正なWebサイトを閲覧することでマルウェアやアドウェアに感染することを防ぐ。

画像 大量のスパムメールによる突発的なDoS(サービス妨害)攻撃「スパムスパイク」や不正サイトへと誘導するなりすましメールの脅威について説明するメッセージラボ ジャパン代表取締役の山本誠治氏

 55のカテゴリに基づくURLフィルタリングのほか、拡張子やMIMEタイプ(Web上で扱うデータ形式)を指定して特定種類の文書や画像などのファイルダウンロードをブロックすることも可能。また、ユーザーがWindows ServerのActive Directoryを運用している場合、専用のプロキシソフトを導入することで、ユーザーやグループごとにWebアクセスをコントロールしたりWeb利用状況をリポートに出力したりすることができる。

 メッセージラボはWebセキュリティサービス提供に当たり、国内2カ所に冗長構成を取ったデータセンターを開設、メールセキュリティに並ぶサービスビジネスの第2の柱にしたい考えだ。月額のサービス料金については非公表だが、「1ユーザー当たりコーヒー1杯分の額」(同社)になる模様。日本アイ・ビー・エム、日立情報システムズなどのパートナー企業から販売される。

 ただし、本サービスはメッセージラボ独自のシステムを利用しており、シマンテックの検知エンジンが一部にしか採用されていないなど、両社の経営統合による成果にはなっていない。現在はそれぞれが運営する脅威解析センターやシステムの統合については「順次進める」としながらも、時期については未定としている。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 フォーティネットジャパン合同会社

クラウドに必要な「データドリブンなセキュリティ」を実現する方法とは?

クラウド利用が当たり前となった今日、セキュリティ対策もまたクラウド環境に適したものでなくてはならない。とはいえ、大量のデータポイントが生成されるクラウド領域にあって、その全てのポイントを網羅するのは並大抵のことではない。

製品資料 TIS株式会社

Web攻撃総数の2割以上が狙うAPI、適切な管理とセキュリティ対策を行うには?

ビジネスでのAPI利用が進むにつれ、そのAPIを標的としたサイバー攻撃も増加している。それらに対抗するためには、「シャドーAPI」や「ゾンビAPI」を洗い出し、セキュリティ対策を徹底する必要がある。その正しい進め方を解説する。

製品資料 Okta Japan株式会社

アイデンティティー管理/保護の注目手法、「IGA」とは何か?

ある調査で企業の61%がセキュリティ優先事項のトップ3に挙げるほど、重要度が高まっているアイデンティティー管理・保護。その中で昨今注目されているのが「IGA」というアプローチだ。そのメリットや、導入方法を解説する。

製品資料 株式会社エーアイセキュリティラボ

AIで人材不足を解消、セキュリティ担当者のためのDXガイド

DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。

製品資料 パロアルトネットワークス株式会社

セキュリティ運用を最適化し、SOCの負担を軽減する「SOAR」とは?

サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...