2009年06月26日 08時00分 UPDATE
特集/連載

SMB向けメッセージング基盤の切り札?「安価で高機能」、Exchange Serverホスティングの実力

企業のメッセージングサービスの中枢を担うようになったMicrosoft Exchange。だが中小企業にとって、そのサーバ構築費用や運用の負荷は決して低くはない。この問題を解決するのがホスティングサービスだ。

[池田冬彦]

ハードル高し? SMBにとってのExchange Server

 「Microsoft Exchange Server」(以下、Exchange Server)は、メールのみならず、スケジュールや連絡先などの個人情報の管理/ファイルを含めたグループでの情報共有を行うためのコミュニケーション基盤である。今や大規模ユーザーを中心としたスタンダードなメッセージングソリューションの1つになったといってもいいだろう。しかし、Exchange Serverのメインターゲットは、専任の情報システム部門を抱える大手企業が中心。中堅・中小企業が導入するにはハードルが高い。これは費用面および運用管理面の負担が大きいためだ。

 Exchange Serverを新規導入する場合、サーバのハードウェア費用とともにWindows ServerとExchange Serverのライセンス料金がサーバ/クライアントの台数に応じて掛かってくる。この具体的な費用は、実際の構築を担当するシステムインテグレーターやサービスプロバイダーによって異なるが、サーバ1台当たりのWindows Server 2008 Standard Editionのライセンス参考価格で18万8000円(5クライアントライセンス付き)、Exchange Server 2007 Standard Editionのライセンス参考料金で13万5000円だ。

 また、ハードウェアの障害によってデータが消失しないよう計画的なバックアップが必要であり、セキュリティパッチも定期的に適用しなければならない。また、ストレージの容量監視やトラフィックの監視、場合によってはサーバを分散させる必要もある。特に専任のIT管理者がいることの少ない中小企業ではこうしたExchange Serverの運用は難しく、運用管理をサービスプロバイダーに依頼すると、かなりのコスト負担になってしまう。

図1 自前でのExchange Server構築例。Windows Server/Exchange Serverの導入、設定、運用が必要だ。Exchange Serverは外部との接続を行う「エッジトランスポートサーバ」とメールボックスを運用する「ハブトランスポートサーバ」に分かれる。セキュリティの観点からハブトランスポートサーバを外部接続に使用する運用(1台のサーバのみによる運用)をマイクロソフトは推奨していない

自前でExchange Serverを運用するための条件


  • サーバ、ネットワークインフラを整備する
  • Windows Server/Exchange Serverのライセンスを購入する
  • Active Directory環境を構築・運用する
  • 別途セキュリティ対策を講じる
  • データのバックアップを行う
  • Windows Serverのセキュリティアップデートやバージョンアップ作業を行う
  • 障害発生時に自社で対応・解決する

Exchange Serverホスティングを利用するメリット

 これらの問題を解決するのが、「Exchange Serverホスティングサービス」だ。Exchange Serverホスティングは、サービス事業者のデータセンターに設置された共用サーバまたは専用サーバに構築されたExchange Server環境をインターネットを介して利用するものだ。

 Exchange Serverの環境は事業者側でセットアップされるので、自前でサーバ機器を調達したり、ネットワークインフラを整備する必要はない。もちろん、Windows Server、Exchange Serverのインストールやセットアップも必要ないし、ライセンスを購入する必要もない。Exchange Serverの機能を利用する上でコストと手間を最小化できるのが特徴だ。ほとんどのサービスが、1アカウント当たりの単価で料金を設定しているため、必要な社員の分だけ契約できるのも大きい。

 Exchange Serverホスティングはインターネットの接続環境さえあれば、オフィスや社員の自宅、サテライトオフィス、取引先、さらにはWindows Mobile端末やiPhone、Netbookなど、場所や端末の種類を選ばずにアクセスできる。スケジュールや連絡先はもちろん、共有フォルダを利用してグループ内で情報/データ共有が効果的に行えるだろう。通信経路は「RPC over HTTPS」(※)で暗号化されており、データは安全に伝送される。

※ Exchange ServerのメッセージングAPIであるRPCをHTTPSでカプセル化して伝送する技術。クライアントとの通信をSSLによって暗号化することができる。

 また、ユーザー側で運用管理を行う必要は一切ない。ホスティングサービス側ではサーバのデータを常時バックアップしているので、メールデータなどを失うリスクも低い。例えば、何らかの問題が発生したときに過去のメールを参照して、監査証跡として利用することもできる。加えて、ウイルススキャン機能/スパムブロック機能を標準で備えていることも特徴だ。

図2 Exchange Serverホスティングの利用イメージ。ユーザーは端末を選ばず、OutlookやOutlook Web Access、スマートフォンから個人のデータ、共有データにアクセスできる

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