プロジェクト管理のベストプラクティス「PMBOK」をうまく適用できれば、そのプロジェクトの成功確率は高くなる。しかし、適用する際には多くの課題が存在する。Excelによるプロジェクト管理もその1つだ。
プロジェクト管理に関する国際標準として広く認知されている「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」は、プロジェクト管理に関する基本的かつ汎用的な考え方や手法を集めたノウハウ集である。プロジェクト管理の対象領域を9つの知識エリアに分け、プロジェクトの提案段階から評価に至るまでの一連のプロセスを実施する際のフレームワークとして利用される。
PMBOKをプロジェクトに適用することで、QCD(品質、コスト、納期)のバランスを取りながら、品質の高い成果物を生成することができる。すなわち「プロジェクトを成功へと導くことが可能」になるのだ。しかし、システムインテグレータの代表取締役社長、梅田弘之氏は「あくまでノウハウ集であるPMBOKを、実際のプロジェクトの現場に適用することは難しい」と指摘する。
また、複数のプロジェクトが進行する組織では、1つのプロジェクトへの適用だけではなく「組織全体として今後の事業活動に再利用したい」というニーズもある。その実現のためには何が必要となるのだろうか。
今回は、システムインテグレータが提供する統合プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」(以下、OBPM)を紹介する。OBPMについて、梅田氏は「PMBOKに準拠したプロジェクト管理を実現するために必要な機能をすべて網羅した、プロジェクト管理のERPである」と語る。
OBPMは、2008年11月にリリースされた統合プロジェクト管理システムだ。そのメニュー画面は、PMBOKが定義する9つの知識エリアと5つのプロセスに沿っており、各プロジェクトのスケジュール、コスト、リソースなどのデータを一元管理し、プロジェクト管理全体の効率化や整合性確認を行うことが可能だ。
また、OBPMを導入することで、ソフトウェア開発プロセスの成熟度を示すCMMI(能力成熟度モデル統合)のレベル3の基準を達成できる環境を構築することが可能だ。OBPMは自社での実績を体系化してきたプロジェクト管理手法「PYRAMID」をベースにすることで、組織全体におけるプロジェクト管理の手法や指標の標準化などを実現する。これまでプロジェクトや担当者ごとに独自方式で行っていたプロジェクト管理のデータを分析し、それを基に標準テンプレートを作成して、別のプロジェクトに再利用することが可能だ。
例えば、プロジェクトの開発手法や生産性、サービス内容や成果物、品質基準などを組織レベルで標準化できる。こうした標準化テンプレートを活用した継続的改善によって、組織全体のCMMIレベルを向上させることができる。
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