XBRLタクソノミを経理部で活用する具体的な方法IFRS時代のXBRL活用を探る【第2回】

XBRLはさまざまな企業グループの財務データを標準化させるための枠組みであるため、自社のグループ会社の勘定科目を標準化させる目的にも応用できる。XBRLを生かした会計処理の効率化の考え方を紹介する。

2010年05月10日 00時00分 公開
[木村 陽, 桑原正博,電通国際情報サービス]

 日本ではXBRL形式の財務諸表をEDINETなどに提出する実務がすでに行われているため、報告企業におけるXBRLおよびタクソノミに対する理解は進んでいると考えられる。

 しかし、実際にはタクソノミの詳細を理解しないままXBRLによる報告を行っている企業も多い。なぜならば報告会社は印刷会社が提供する報告ツール(宝印刷:X-Editor、プロネクサス:PRONEXUS WORKS)に財務数値を入力すればある程度機械的にXBRL変換が可能であるため、単に報告目的であるととらえれば報告企業側では必ずしも財務情報のXBRL変換の仕組みを理解する必要がないからである。そのため、経理部門では現状、XBRLの恩恵を特に意識していないと考えられるが、IFRS時代に向けて活用の手立てはないだろうか。

 もともとXBRLはさまざまな企業グループの財務データを標準化させるための枠組みであるため、自社のグループ会社の勘定科目を標準化させる目的にも応用できるはずである。そこで、今後のIFRSへのアドプションを見越して、XBRLの枠組みを利用して自社のグループ会計方針を整備することが考えられる。

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