VMware仮想環境のバックアップ/リカバリ対策を紹介した3つのホワイトペーパーホワイトペーパーレビュー

本稿では、VMware仮想化環境におけるバックアップ/リカバリ手順などを解説した3つのコンテンツを紹介する。

2011年02月10日 08時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 現在、多くの企業がVMware仮想化環境を構築している。ITリソースや運用管理コストなどの削減効果が期待される一方、そのバックアップやリカバリに不安を感じている企業も多いようだ。米国Veeam Softwareが2010年に発表した「VMwareデータ保護レポート2010:大企業500社対象の調査(VMware Data Protection Report 2010, The Survey of 500 Enterprise)」(※)によると、回答者の44%が仮想環境におけるバックアップやリカバリに懸念を持っているという。また、回答者の43%が最近2年間でデータ消失を経験しており、調査結果を踏まえて「従来のバックアップ/リカバリ対策では、VMware仮想化環境におけるデータ保護を懸念している」と分析している。

 本稿では、VMware仮想化環境におけるバックアップ/リカバリ手順を解説した3つのコンテンツを紹介する。仮想化環境を効率的に管理したいと考えている担当者の参考になれば幸いである。

※ 市場調査会社Vanson Bourneが米国や英国、ドイツ、フランスの1000人以上が在籍する企業や組織のCIO500人を対象に実施した調査。

リカバリ時間短縮につながる推奨事項を紹介

仮想環境におけるリカバリ時間を最小に抑制するリカバリプランを設計するために

photo 提供:ヴィエムウェア(23ページ)

 本ホワイトペーパーでは、管理者がディザスタリカバリプランの設計や実行時に検討すべき重要なパフォーマンス指標として「RPO(目標復旧ポイント)」と「RTO(目標復旧時間)」の2つを挙げ、ヴイエムウェアのディザスタリカバリソリューション「VMware vCenter Site Recovery Manager 4.0」(SRM)を活用したパフォーマンス検証結果を紹介している。SRMは、リカバリプロセスの自動化やそのテストや管理を支援する機能を提供する。

 また、リカバリの処理時間に影響する主な要因として、以下の項目を掲げている。

  • iSCSI、ファイバーチャネル、NFSを使用したリカバリ
  • リカバリプランに関連する仮想マシンおよび保護グループの数
  • 仮想マシンと保護グループの関係性
  • クラスタ内のリカバリサイトのパフォーマンス
  • リカバリプランのパラメータの構成
  • リカバリプランにおける仮想マシンの優先度の割り当て
  • 保護対象サイトとリカバリサイト間のネットワーク遅延

 その上で、ダウンタイムの抑制や効率的なリカバリプランを設計するための9つの推奨事項を紹介している。

大規模環境におけるバックアップ/レプリケーション支援

大規模なVMware環境をバックアップする最適な方法とは?

photo 提供:EMCジャパン(18ページ)

 仮想化環境では、ITリソースの共有やその配分を効率的に調整することが可能だ。しかし、実際にはローカルの物理リソースに制限されることも多く、それがボトルネックとなり最適なバックアップ/リカバリ環境の構築が難しい場合もある。

 このホワイトペーパーでは、仮想サーバと常駐データのバックアップ処理が毎晩8〜10時間をかけて行われていると指摘している。そうしたバックアップ処理の高速化や作業負荷を軽減策として、EMCが提供するディスクアレイストレージ「EMC CLARiX」、バックアップアプライアンス「EMC Avamar」などを組み合わせた大規模なVMware環境向けのバックアップソリューションを紹介している。

 仮想化環境のローカルおよび遠隔サイトのバックアップ/レプリケーションのテスト検証では、仮想環境への影響を最小限に抑えながら、バックアップの占有領域を削減するとともにバックアップとリカバリの処理速度を向上できた。また、物理リソースに制約を持つ本番仮想環境におけるバックアップ時間や作業負荷を軽減した結果なども紹介されている。

バックアップ高速化に役立つVCB実装手順を紹介

バックアップをより高速に処理するためのVCB実装手順

photo 提供:シマンテック(14ページ)

 ヴイエムウェアは「VMware ESX 3.0」から、バックアップ中に発生するエラーを低減させるモジュール「VMware Consolidated Backup」(VCB)を提供している。VCBではバックアップ専用サーバ「バックアッププロキシ」にバックアップ処理を分散させることで、ゲストOSに対する影響などを軽減できる。しかし、VCB自体はスナップショット機能を提供し、VCBをサポートするバックアップソフトと組み合わせることで、効果的なバックアップが実施可能になる。

 このホワイトペーパーでは、VCBとシマンテックの「Symantec NetBackup」を連携させるために必要な設定情報やその実行手順を紹介している。VCBのインストールからNetBackバックアップポリシーの設定、ゲストOSリストアなどの手順、トラブルシューティングなどの情報が詳細に記載されている。

 今回紹介したホワイトペーパー以外にも、ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、技術文書や製品資料、事例紹介などに関するコンテンツを多数掲載している。ぜひダウンロードしてご活用いただきたい。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...