OracleとRed Hatはノーコメント
OracleがRed Hat Enterprise Linuxのサポート中止を計画?
「OracleがRHELのサポート中止を計画している」という声が上がっている。Oracleの真意はどこにあるのか? RHELユーザーはどうするべきなのか?
米Oracleのサポート部門が最近リリースしたメモを受けて、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)ユーザーの間から、Oracleの今後のRed Hatサポートに対する疑問の声が上がっている。しかし、これは自社のデータベースのストレージ管理機能に関するOracleの計画を示したものだと説明する専門家もいる。
2011年の春にリリースされ、6月に更新されたこのメモの内容は、ASMLibに関するものだ。ASMLibは、Oracle DatabaseのAutomatic Storage Management(ASM)機能のサポートライブラリだ。同メモによると、このサポートライブラリは「ASMを使用するOracle Databaseが使用中のディスクグループに効率的かつ機能的にアクセスすることを可能にする」としている。
サポートメモには、2010年秋にリリースされ、5月にアップデートされたRHEL 6に関する記述もある。
「RHEL 6については、Oracleが配布するカーネル用に構成されたASMLibソフトウェアとアップデートのみを提供する」と同メモは記している。「Oracleは、RHEL 6の一部としてRed Hatが配布したカーネル用のASMLibパッケージは提供しない。ASMLibのアップデートは、Oracle Linuxサポートを利用している顧客に提供されるUnbreakable Linux Network(ULN)を通じて配布される。ULNはOracle LinuxとRHELの両環境に対応するが、ASMLibを利用するにはRed Hatカーネルを、Oracleから提供されたカーネルに置き換える必要がある」
ASMLibに関するOracleの見解
このメモで、RHELを運用している一部のOracleユーザーはOracleの意図に神経質になっている。米コンコーディア大学に所属するConcordia Administrative Information Systemでデータベース管理者を務めるマリアン・ギルフィラン氏も不安を感じているという。このメモは、Linux上でASMを利用しているOracle利用企業に対して、OracleはRed Hatのサポートの中止を強要しようとしていることを意味しているのではないかと同氏は考えている。
「RHELのサポートを中止し、Oracle Linuxのサポートのみに移行するのがOracleの狙いだと思う」とギルフィラン氏は述べている。
しかしOracle認定プロフェッショナルの資格を持ち、Oracleデータベース管理者と開発者向けのサイトとして有名なoracle-base.comを運営するティム・ホール氏は、断定を避けている。同氏によると、udev(Linuxカーネルのデバイス管理機構)がASMLibに代わるデファクトスタンダードになっているという。
「OracleがASMLibをリリースしたとき、彼らはこれをストレージベンダー向けのAPIにしようと計画していた」とホール氏は説明する。しかし現実はそうはならず、ASMLibはディスク検出、パーミッション、オーナーシップの機能を提供するだけにとどまった。これはudevでも容易に実現できる機能だ。しかもudevには、カーネルバージョンの変更のたびにアップグレードする必要がないというアドバンテージもある。
OracleとRed Hatは、本記事に対するコメントを避けている。
さらにホール氏によると、Oracle社内で当初ASMLibを推進していた人々は、同ライブラリを使用する意味はもうなくなったことを示唆しているという。既に数年前の段階で、「今日のLinuxシステムではASMLibは時代遅れになった」と指摘した記述もある。
ギルフィラン氏は、今回のサポートメモの背景にある事情についてOracleとRed Hatに問い合わせたが、回答は得られなかったと話している。udevはASMLibに代わる選択肢になり得ると認めながらも、同氏を含むデータベース管理者たちはASMLibを使い慣れているため、いずれOracleに移行する可能性があるとしている。その一方でギルフィラン氏は、udevなどの選択肢の機能も検討する計画だ。ただしそれらが満足できるものでなければ、今後もASMLibを使い、Oracle Linuxに移行するつもりだという。
「Oracleに移行した場合に予想される唯一の問題は、同社のサポート部門は最近、対応がやや鈍くなっているということだ。少なくとも、データベースサイドではそういう傾向が強い」と同氏は語る。「OSサイドでは、もう少し素早く対応してくれることを望んでいる。そうでなければ、サポートのレベルが大幅に低下することになる」
ホール氏は、サポートメモの意図については推測することしかできず、その真意は分からないとしている。
「しかしほとんどのユーザーが重視しておらず、ネイティブ機能で容易に置き換えが利く製品のサポートを中止することが、RHELの危急存亡の事態を意味するとはとても思えない」(同氏)
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