2011年07月28日 09時00分 UPDATE
特集/連載

「SAP WORLD TOUR 2011」イベントリポートERPユーザー注目、SAPがデータベースベンダーになる意味

SAPが開催したイベントから分かるのは、水平分業から垂直統合へとビジネスモデルを急速に変えつつある同社の姿だ。SAP HANA、モバイルソリューションが紹介されたイベントをリポートする。

[垣内郁栄,TechTargetジャパン]

 「SAP HANAは過去30年のデータベースとは大きく異なる。HANAを使えば1秒で信じられないほど大量の処理をこなせる」。SAPジャパンが7月13日に都内で開催したイベント「SAP WORLD TOUR 2011」で、SAP本社のジェネラルマネージャー兼グローバル・ヘッド・オブ・ビジネスアナリティクスのスティーブ・ルーカス氏は基調講演と記者会見を行い、HANAの優位性を強調した。ERPパッケージ大手のSAPはその姿を急速に変えようとしている。本稿ではSAPの未来を基調講演から探ろう。

画像 SAPのスティーブ・ルーカス氏

 HANAについては過去の記事が詳しい(参考記事:ERP、次の常識は超高速統合システムか)。従来のディスクベースのHDDではなく、高速な読み書きが可能なメモリを使うことで高速なデータ処理を可能にしている。データウェアハウスなどの分析(OLAP)のために開発されてきたが、将来はERPなどの更新系(OLTP)の処理にも活用する予定だ。ルーカス氏は「HANAのビジョンはまずはSAP BW(SAPのビジネスインテリジェンスアプリケーション)のデータベースとしてHANAを使ってもらいたい。さらに将来的にはERPの基盤としても使っていきたい。SAPの環境ではない顧客も利用可能だ」と話し、HANAがSAPアプリケーション全般、そして他社製品が中心の環境でも利用可能なことを強調した。

 基調講演でルーカス氏はHANAの導入事例を紹介した。「オーストラリアの電力会社ではスマートメーターを使い、180万世帯から30秒ごとにデータを受け取っている。このデータを分析することで、家庭ごとの電力消費が分かり、次の意思決定をリアルタイムにできる」。SAP自体でもHANAを使っており、CRMに蓄積された8億件のデータをHANAで処理しているという。スマートデバイスを使ってデータ分析ができる「SAP BusinessObjects Mobile BI」を活用し、「いつでもどこでもパイプラインの情報にアクセスできる」環境を構築している。

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news077.jpg

電通が学生と企業の共創プロジェクト「βutterfly」を開発、企業向けにスポンサードプランを提供
電通は、顧客企業と学生の協働型プロジェクト「βutterfly」を開始すると発表した。β版...

news040.jpg

「インバウンド」で注目される浅草、訪日外国人観光客で賑わう理由とは?
口コミ時代のWebとソーシャルメディアは最大の武器。最小限の手間で最大の効果を発揮する...

news103.png

オムニバス、「セゾンDMP」を活用したターゲティング広告を提供
クレディセゾンの100%子会社オムニバスは、クレディセゾンが保有するクレジットカードの...