Windows 8を早期に導入する企業は、ユーザーインタフェース(UI)が大々的に変更されていることを踏まえて、ユーザーのトレーニング計画を立てる必要があるかもしれない。
Windows 8のトレーニングは、WindowsのUIに慣れ親しんだ数百万人のビジネスユーザーに多大な労力を課し、IT部門には多額の費用をつぎ込ませることになる可能性がある。
Windowsのライセンスに詳しいコンサルティング会社の米Pica Communications 主席コンサルタントのポール・デグルート氏は、「トレーニングコースの費用と、トレーニングによって失われる従業員の実働時間を考えると、従業員1人当たりのコストは1日当たり400ドルを軽く超える可能性がある」という。
米ベルビューカレッジでコンピュータインストラクターをしているカール・フォン・パップ氏も、「Windows 8のUIは何もかもが変わってしまった」と話す。Windows 8 β版のテストも担当している同氏は、「ユーザーにはかなりの学習が必要になる」と断言する。
Windows 8のUIは従来のスタート画面に代わり、デスクトップアイコンがタイル型に並ぶ「Modern」と呼ばれるタッチ操作対応画面になった。2012年8月までは「Metro」と呼ばれていたUIだ。従来のWindowsの外観に近いデスクトップモードも用意されているが、この2つのUIの切り替えに慣れるまで多少時間が必要かもしれない。
米サンアントニオ腎臓病センターでは、Windows 8へのアップグレードをすぐには行わない予定だ。同センターでIT管理者を務めるフィリップ・L・モヤ・ジュニア氏は、「恐らく2013年になるが、アップグレードをしたら、外部のトレーニングを利用するのではなく、エンドユーザー同士の非公式なトレーニングを奨励する」という。「待っていれば、ユーザーが家でWindows 8を使い始めるだろう」という期待からだ。
また、アップグレードするにしても、古くなったWindows XPのPCを、時間をかけて徐々にWindows 8に置き換える予定だという。「抜本的に変わっているので、導入には時間をかけ、厳しく検証をする」(モヤ氏)
なお、OS移行に伴い、システム管理者やヘルプデスク担当者のためのトレーニング費用も必要になるが、Microsoftのパートナーが提供する5日間のコースを利用した場合、2500ドル以上になる可能性がある。このようなパートナー企業は、マイクロソフト認定テクノロジースペシャリスト(MCTS)と、マイクロソフト認定ITプロフェッショナル(MCITP)の試験も提供するが、これらの認定資格の費用は最低でも約150ドルとなっている。
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