スマホ2強時代の生き残り戦略とは
Appleの遠い背中……競合ベンダーの失敗/復活ストーリー
今やスマートフォン市場は米Appleと韓国Samsungに席巻されている。中国Huaweiなどの競合企業がこの2強時代を生き抜くにはどうしたらいいのだろうか。
スマートフォン市場を席巻する米Appleと韓国Samsungは、より規模の小さな競合企業にとって脅威の存在だろう。だが、そうした状況下でも、顧客を勝ち取る方法がある、と中国Huaweiのモバイル担当幹部は考えている。
中国深センにある同社本社で取材に応じたデバイス担当副社長のシャオ・ヤン氏は、携帯電話メーカーを取り巻く現在の状況を、通信業界の歴史を引き合いに出して説明した。
Appleは昔のEricssonに似て傲慢
「15年前、私がワイヤレス部門に加わった当時、市場では(Alcatel-Lucent、Nokia、Ericssonなど)7社の巨大企業がしのぎを削っていた。例えば、顧客を訪問し、『弊社にはこのような製品があります』と説明しても、『貴社の製品を導入するメリットは何ですか? 他社製品の方が優れていますよ』とあしらわれた」とヤン氏は当時の状況を振り返り、「われわれは失望し、差別化要因を探ろうとした。そして、企業姿勢に相違点を見いだしたのだ」と語った。
「ナンバーワンのEricssonは、常に優秀で賢いリーダーのような姿勢だ。先導的であり、教師然として『誰よりも優秀な私の話を聞きなさい』といった具合。一方のNokiaは、人と人とのつながりこそが重要であると考え、『われわれは公平だ』という姿勢だった」(同氏)
ヤン氏によると、Huaweiの思想は、「顧客の可能性を実現」「顧客志向のイノベーション」とスローガンにもある通り、自社よりも顧客を優先する姿勢を貫いてきたという。
「Appleは、昔のEricssonと若干似ている。少し傲慢で、顧客の趣味嗜好など何でもかんでも自分たちで定義できると信じている」(同氏)
「Samsungは、容姿端麗で金持ちの若者といったところだ。顧客とより密接な関係を気築くことが今後の課題だ。Samsungは成功を収めているが、顧客から真のロイヤルティーを勝ち取っていない」とヤン氏は語る。
そのうえで、「顧客の役に立つ、というのがわれわれのスタンスだ。より一層の楽しみとより良い体験を顧客に提供していく。この方向性を維持できれば、AppleやSamsung(のようなやり方)を好まない顧客の一部を獲得できるだろう」と同氏は述べた。
人々をつなぐテクノロジー
しかしながら、顧客を納得させる上では、スローガンや企業姿勢より、テクノロジーの方が重要な役割を果たすだろう。市場で最も優れたハードウェアはSamsungが、最も優れたソフトウェアはAppleが提供していることを、ヤン氏は認めている。だが、このところ重要性を増している接続品質については、Huaweiが最も優れているという。
「4G(市場)では、Huaweiが世界最高品質のチップセットを有している」と同氏は語り、「そのため、弊社のモバイルWi-Fi製品は、市場シェアで非常に高い割合を占めている(IDCによると70%)」と述べた。
「われわれはこのテクノロジーのことを理解しているが、ユーザーのことはあまり理解していないのかもしれない。その点は改善の余地があると考えている。しかし、“コネクション”こそ、われわれの支援できる領域であると考えている。人と人をより良くつなげる――これが、Huaweiが市場のためにできる貢献だ」(ヤン氏)
失敗からイノベーションが生まれる
同氏は続けて、同社デバイス部門が犯した失敗に対する寛容な姿勢を示した。シリコンバレー企業が見せる態度と同様、失敗を経験したことで、同社は強くなったと主張している。
「Huaweiはそれほど重苦しい雰囲気の会社ではない。ある程度の失敗を受け入れ、その失敗からより多くのことができると信じている」
「2012年のMobile World CongressでAscend D1スマートフォンを発売しようとしたが、チップセットの影響で延期となり、良い結果を残せなかった。ただ、遅れが発生したことでチップセットを最適化できた。Ascend D2の際には、高速・高性能なデバイスを開発しようとしたが、Huaweiブランドとしては非常に高額で、あまりにもコスト高な製品となり、成功を収められなかった」(ヤン氏)
「今後も製品開発でさまざまな失敗を繰り返していくことになるだろう。だが、そこからより多くの製品でイノベーションが生まれることだろう」と同氏は締めくくった。
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