米Appleはかつての「魔法の力」を失いつつあるのか。iPhoneの急減速やiOS 6の欠陥、株価の下落など、同社が平凡な会社になりつつある兆候は多数ある。
iPhoneの登場以来、初めて他のスマートフォンが四半期販売台数で米Appleのこの象徴的なデバイスを上回った。上回ったのがどのスマートフォンなのかを推測するのはそう難しくない。2012年7~9月期に1800万台も売れた韓国Samsungの「Galaxy S III」だ。一方、同期間にAppleが出荷した「iPhone 4S」は1620万台だった。
この時期は「iPhone 5」の登場が予測されていながら、まだ発売されていなかった。そのため、iPhone 4Sの販売は振るわなかった。また、Samsungが「Galaxy Note II」など幾つかの対抗モデルを投入したこともあって、Appleの主力モデルはシェアを奪われた。しかし、そうした事情があったとしても、熱狂的なiPhoneの時代が終わりを迎えつつある、という見方を否定はできない(参考記事:5年前にiPhoneの失敗を予想した4人)。
市場アナリストが最近明らかにした数字が、そうした見方を裏付けている。米調査会社Strategy Analyticsの調査によると、米国のiPhone所有者の88%は、次のスマートフォンでもiOSを選択すると回答している。この数字は素晴らしいものに思えるが、1年前(2011年)の調査の93%から見れば、そうとばかりは言っていられない。欧州における調査でも、この数字は前年の88%から75%に下がっている。
Apple購買者のブランド信仰は相変わらず高い。しかしそれでも、スマートフォン購買層の少なからぬ人々が、iOSから他のOSに乗り換えを検討していることは事実だ。Windows 8が登場して以降のここ数カ月、タブレットユーザーの動向もほぼ同様の傾向を示している。
Appleの株価も大きく下落している。実際、この3カ月間は急降下といってもよい。原因は何か? 同社の“すごい”製品が市場で飽和点に達したから、という見方は正しくないだろう。競合他社がシェアを伸ばしている理由は、Appleがここ数年、全世界で築き上げてきた名声――同社の製品は完璧だというユーザーの信仰――に陰りが見えてきたという事実だ。
iPhone 5は、幾つか深刻な問題を抱えたまま発売された。それはApple自身も認めた欠陥(貧弱な地図、ブラックモデルが傷つきやすいなど)であり、当然のことながら完璧とは程遠い。
第4世代のiPadは、第3世代の製品が出てからわずか数カ月後に発売された。「iPad 3」を購入した人々はだまされた気分だろう。Appleは、このデバイスが完璧でなかったことを暗に認めたようなものだ(参考記事:古いiPadはもう使いものにならないのか?)。
「iPad mini」は低解像度スクリーンで発売され、しかもそうした製品としては価格が高すぎた。これも完璧なデバイスではない。
Windows 8搭載のノートブック市場が文字通りタッチスクリーンモデルであふれかえる今、Retina搭載の「MacBook Pro」でさえ、もはや完璧とは呼べなくなった。タッチスクリーンディスプレーではないからだ(参考記事:期待のデバイスの明暗を分けたもの──なぜ3Dが失敗しタッチは成功するのか)。
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