小売業の売り上げ増加にも貢献
Facebookも真っ青、「グラフ検索」でカード犯罪も“検索”
Facebookの「グラフ検索」は、ユーザーの行動をも反映した強力な検索機能だ。ただし、グラフ検索はFacebookだけのものではない。企業が自前でグラフ検索を実装すれば、さまざまなメリットが得られる。
ビッグデータを実際の現場で生かす「グラフ検索」は、企業に真の価値をもたらす――。米Neo Technologyのソフトウェアフィールドエンジニア、マックス・デ・マルツィ氏はこう指摘する。物事のつながりが分かるだけで、多くの洞察やパターンが浮き彫りになるからだ。
デ・マルツィ氏は、Neo Technologyが開発したグラフデータベース「Neo4j」とNeo4jのクエリ言語「Cypher」を使って、専門的な顧客向けにグラフ検索の概念実証(POC: Proof of Concept)を実施。グラフ検索技術を使ってどのようなビジネスの問題を解くことができるのかを実証している。
デ・マルツィ氏が最近手掛けたPOCは、米Facebookのグラフ検索(英語版のみ)からヒントを得た。Facebookのグラフ検索は、自然言語のクエリを基に、それぞれのユーザーに特化した検索結果を導く検索機能だ。2014年のビッグデータ関連イベント「Big Data TechCon」(米国時間3月31日~4月2日に米国ボストンで開催)のセッションで同氏は、ユーザー企業が自社で持つビッグデータを使って、自社用のFacebookグラフ検索をどう組み立てればよいかについて講演した。
ビッグデータを仕事に生かす
ビッグデータの恩恵を最も直接的に受ける業界は、顧客と対面する仕事、つまり小売業だ。「私がある小売業者のWebサイトにログインすると、『あなたの一般的な興味は何か』と問われた。だがそれで終わってしまった」とデ・マルツィ氏は語り、次のように主張する。「このWebサイトが、私の家族や子ども、妻に関するデータを使って家族の年齢やそれぞれの好みを特定できていれば、私の興味を引く商品を正確に提示できたはずだ」
デ・マルツィ氏は「結局は使い方の問題だ」と語る。「誰もがソーシャルデータを利用できる。Twitterのデータも使える。一から始める必要はない」(同氏)。手に入る情報は既にあふれている。必要なことは、動的な方法を利用し、こうした情報を総合的に扱って応用することだ。
グラフ検索の明らかな恩恵を最も受ける業界は小売業だが、同氏は異業種の使用事例も引き合いに出す。例えば、銀行であれば、犯罪につながる怪しい行為を検知する目的でビッグデータを利用できる。「あるクレジットカードを20人の違う人物が使っていれば、それは不正なカードの可能性がある」とデ・マルツィ氏は説明する。
従来のデータ処理方法は、不正行為に関する情報を個別のデータ点として処理するため、20人が同じクレジットカードを使っているといった関連性は見落としがちだった。
独自のグラフ検索を組み立てる
デ・マルツィ氏は、「バックグラウンドがNoSQLデータベースの場合は特に、技術の習得には一定の学習が必要になる」と注意を促す。一例として、開発者がCypherクエリを作成するためには、自然言語の解釈を学ぶ必要がある。ただし、「最大の課題は思考の転換にある」と同氏は言う。各データ点は動いており、オブジェクトは相互につながっているという概念を、開発者はよく理解する必要がある。
「大体、数時間から数日で順応できるようになる。概念がしっかりと頭に入れば、全てのことの意味が分かるようになり、物事はより単純になり、扱いやすくなる」。デ・マルツィ氏はこう説明する。
良いニュースは、開発者の取り掛かりに役立つ教材が豊富にあることだ。「今はたくさんの情報があり、多くのオンライントレーニングや書籍がある。誰もがすぐにでも始められるだろう」(デ・マルツィ氏)
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