企業市場でWindows 10に押されるAndroid
Windows 10の人気が「Androidタブレット」の販売打ち切りを招いた?(1/2 ページ)
HPとDellは「Android」搭載タブレットの大半の販売を打ち切った。企業市場の関心が「Windows 10」デバイスへ移っているからだ。
Googleの「Android」は企業市場に足場を築けていない。エンドユーザーやIT部門、デバイスメーカー、アプリ開発会社の支持が「iOS」と「Windows 10」に集まっているからだ。
Androidはコンシューマーには人気があるが、幾つかの短所があるとIT専門家は見ている。セキュリティの懸念やバージョン乱立の問題から、Androidはアプリ開発のターゲットとして選ばれにくくなっている。そのためにビジネス用途のアプリも少ない。
Dellは2016年6月、ラインアップを絞っていたAndroidタブレットの販売から完全に撤退した。その半年前にもHPがローエンドAndroidタブレットの製造を打ち切っている。エンタープライズIT大手の両社がこれらの措置を講じたのは、Windows 10搭載の2-in-1デバイス(タブレットとしてもノートPCとしても利用できるデバイス)に力を入れるためだ。
「Androidは企業市場でかなり低迷している。Androidは多種多様なバリエーションがあり、あまりコントロールされていないからだ」。ITコンサルティング会社SIGMAnetの副社長を務めるスティーブン・モンテロス氏はそう語る。「Microsoftは最近、明確な方針に沿ってWindows事業を展開しており、企業ではWindowsとiOSに人気が集中している」
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セキュリティとバージョン乱立がAndroidのネック
Androidのセキュリティ問題としては、マルウェアの脅威に加え、更新パッチがタイムリーに行き渡らないことが挙げられる。Androidユーザーが他OSのユーザーほど頻繁に更新パッチをインストールしない傾向があること、Android自体の更新パッチがリリースされても、Androidデバイスベンダーがすぐに更新パッチを一斉に配布するわけではないことが、その背景にある。
一部のAndroidデバイスベンダーは、高いセキュリティ機能を提供することで企業市場への進出を目指してきた。例えばSamsung Electronicsのセキュリティスイート「Samsung KNOX」は、アプリレベルのコンテナ化によって個人データと企業データを分離し、デバイス管理機能も提供する。
Googleのモバイル管理サービス「Android for Work」は、エンドユーザーが個人プロファイルと仕事用プロファイルを切り替えて使い、スマートフォンやタブレットに企業データを保存してセキュリティを確保できるようにしている。「Android for Workは、発表時には大きな注目を集めたが、その後は鳴かず飛ばずだ。あまり導入されていない」とIDCのリサーチアナリスト、ジテシュ・ウブラニ氏は指摘する。
モバイルデバイスやアプリ、コンテンツを包括的に管理する「エンタープライズモビリティ管理」(EMM)を導入すれば、一部のセキュリティ問題を軽減できる。だがバージョン乱立の問題により、Androidは依然としてIT部門にとって扱いにくいものになっている。
Android開発者向けのWebページによると、最新版である「Android 6.0 Marshmallow」を搭載するデバイスは、Androidデバイス全体の10%にとどまる(本稿執筆時点。以下同じ)。「Android 5.0 Lollipop」搭載デバイスは25%、「Android 4.4 KitKat」搭載デバイスは31%となっている。Android 4.4 KitKatのリリースは2013年であり、Androidデバイスの23%はそれよりも古いバージョンを搭載している。「対処すべきバージョンが多く、それが開発者にとって負担になっている」。ソフトウェア開発会社Agilineのエマニュエル・マシュー社長は、こう説明する。
「AndroidアプリはAndroidの各バージョン向けに、さまざまな時期にリリースされたもの。デバイスベンダーが一斉に新バージョンを手にすることもない」と、ITコンサルティング会社HillSouthの創業者でCEOを務めるロビー・ヒル氏は語る。「企業はAndroid対応の複雑なアプリケーションを運用していない。そうしたハードウェアやソフトウェアプラットフォームのばらつきを懸念しているからだ」(ヒル氏)
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