コンテナの検討課題をピックアップ
コンテナ vs. 仮想化、クラウドでアプリケーションを構築するならどっち?(1/2 ページ)
メモリ効率、アプリケーションのテナント化、ネットワーク接続など、要件に応じてコンテナで構築できるクラウドアプリケーションは変わってくる。
ソフトウェアコンテナ(以下、コンテナ)は、クラウドコンピューティング分野において急速に発展しつつある技術だ。事実、クラウド技術に関する潜在的メリットは全て、コンテナにも当てはまる。そして、多くの企業がコンテナを利用しない手はないと考え始めている。今日の企業クラウドでは、コンテナ技術があまり使われていないのも事実だ。だが、コンテナに軽率に飛びつくのは非常に危険が伴う。クラウド計画の失敗にもつながりかねない。
これまでの仮想マシン(VM)では、ハイパーバイザーが1台のサーバを複数のVMに分割する。このVMはほぼ常に別々の物理サーバのように動作する。各VMは、それぞれ独自のアプリケーション、ミドルウェア、さらにはOSを実行する。ハイパーバイザーは、メモリ、I/O、ネットワーク接続などの物理システム要素の共有を仲介する。
このアプローチは、最新のサーバが備える強力なマルチコアプロセッサを利用する。これらのプロセッサは、通常従来のアプリケーションではあまり利用されていない。仮想化やクラウドコンピューティングによってハードウェアを共有することで、ハードウェアの資本コストは低下する。どれだけ多くのVMが実行されていても、物理サーバは1台だけであり、ハードウェアの管理コストも低く抑えられる。各VMは本質的に独立したサーバなので、VM技術はパブリッククラウドに広く採用されている。パブリッククラウドは基本的にマルチテナントだ。
仮想化技術は、プライベートクラウドを構築している企業にとっては、ときに問題となる。プライベートクラウドではマルチテナントのサポートは必要ない。クラウドを構築する企業が唯一のテナントになる。アプリケーションごとにOSをコピーすると、メモリが無駄に使われ、マシンイメージの構築と保守が複雑になる。コンテナとは、ある種OSレベルでの仮想化といえる。1つのOSが複数のコンテナを実行する。その複数のコンテナが、OSのサービスとハードウェアを共有する。
コンテナを使うメリット
クラウド環境でのコンテナとVMを比較するには、まず基本的なメリットから見ていく必要がある。コンテナは本質的にメモリ効率が優れている。実行するアプリケーションの数が多く、VMを利用すると多くのOSがコピーされる可能性がある場面では、コンテナが非常に有効になる。規模が小さなコンテナではメモリ効率のメリットはあまり得られない。そのためシンプルなサーバ統合にはコンテナを使わない方がよい。
コンテナ導入の決定においてメモリ効率のメリットの次に問題となるのが、アプリケーションテナンシーの必要性だ。企業によっては、高度なアクセス制御とデータセキュリティを必要とするアプリケーションを有している場合がある。このような場合は恐らく仮想テナントを作成することになる。コンテナ技術はOSを共有し、アプリケーション間にハードパーティションをほとんど設けない。従って、そのようなセキュリティレベルの高いアプリケーションにコンテナを使用するのは難しいだろう。自社がコンテナを使ってアプリケーションのパーティション分割の要件を満たせるかどうか、内部監査部門やコンプライアンス部門に確認を取るのがよいだろう。
ネットワーク接続の問題
次に注目するのは、アプリケーションが必要とするネットワーク接続の複雑さだ。多くのユーザーが認識しているように、人気の「OpenStack」を含め、クラウドや仮想化の全ての技術にはごく基本的なネットワーク機能しか用意されていない。簡単に導入できることを目標としているコンテナツールには、通常、さらに基本的なネットワーク機能しか備わっていない。最も人気の高いコンテナプラットフォームであるDocker社の「Docker」でも、ネットワークモデルには大きな制限がある。
クラウドで複雑なネットワーキングを利用する場合はさまざまな対応が必要になる。複雑なアプリケーションのクラウドバースティング、フェイルオーバー戦略、マイクロサービスのようなアプリケーションの動的コンポーネントの大規模使用などがその例だ。こうした問題のどれもが、それぞれの企業のニーズに合ったソフトウェア定義ネットワーク(SDN)オプションを探し、選択したオプションにVMやコンテナを組み込む必要があることを示している。こうしたツールはVMにもコンテナにも有効であるが、ほとんどはVM環境に必要なツールの方が柔軟性は高い。
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