2017年05月01日 15時00分 UPDATE
特集/連載

HDDと比べたSSDの速さとは徹底解説:オールフラッシュアレイ 超高性能をたたき出す技術とのその用途 (1/2)

オールフラッシュアレイの購入に向けて投資対効果検討書を作成するには、まずアプリケーションで必要なIOPS、遅延、スループットについて把握する必要がある。

[Logan G. Harbaugh,TechTarget]

 自社でオールフラッシュアレイを導入して恩恵が受けられるかどうかを判断するには、まずワークロードに関する情報を集めなければならない。「自社で使用しているアプリケーションは、IOPS(1秒当たりのI/O)の向上、スループットの向上または遅延の低減を必要としているのだろうか」「読み取りや書き込みの負荷が大きいのだろうか」そういった情報が必要になる。また、パフォーマンスのボトルネックを特定したり、データパフォーマンスの特徴を明らかにしたりするために、ツールの使用が必要になる場合もある。それから、オールフラッシュアレイストレージはディスクアレイと動作が異なることを理解しておくのも不可欠だ。

 オールフラッシュアレイが全て同じ効果を発揮するわけではないことに留意されたい。多くのシステムは特定のアプリケーションやワークロードを想定して構築されている。ある特定のアプリケーションの処理速度を100倍にするオールフラッシュアレイが、他のワークロードでも同様のパフォーマンスを実現するとは限らない。仮想化アプリケーションのように、オールフラッシュアレイの重複排除機能や圧縮機能を活用できるアプリケーションでは、動画ファイルやリアルタイムストリーミングといった、圧縮済みの一意なデータを扱うシステムよりコスト効率は大幅に高くなる。

HDDはSSDと比較してどうなのか

 ストレージシステムでHDDを採用すると、アプリケーションでパフォーマンスのボトルネックが生じる可能性がある。例えばHDDにある情報を読み取るには、読み取りおよび書き込み用のヘッドをある位置から別の位置に移動する時間が必要になる。そのため、情報にアクセスするのにかかる最小時間、平均時間、最大時間にかなり大きな差が生じる。また、HDDの最も内側にあるトラックから大量のデータを読み取る場合、最も外側にあるトラックのデータを読み取る場合に比べて時間がかかる。これは、ヘッド下でミリ秒当たりに渡せるビット数が、ディスク上の位置によって変わってくることに起因するものだ。

 ソリッドステートドライブ(SSD)なら、読み取り時の最小遅延、平均遅延、最大遅延の差はずっと小さくなる。そのため、読み取りの負荷が高いアプリケーションではSSDを使うのが理想的だ。また、SSDはリアルタイム重複排除を実現するのに十分な速度を備えている。この機能は、サーバ仮想化と仮想デスクトップインフラ(VDI)など似たようなディスクイメージを多数使用するアプリケーションで役に立つ。一般的なMicrosoftの「Windows」や、「Linux」の実装では、何百万という数のファイルがあるが、その大部分は全てのシステムで同じものになる。そのため仮想化OSを100個使用しても、SSDでは仮想化OSファイル1つよりも少し大きな容量を占有するだけで済む。

 ただし、SSDにもライトアンプリフィケーション(書き込み増幅)という弱点がある。この現象が生じる原因はSSDの仕組みにある。というのも、SSDでは特定のブロックに含まれる1ビットの情報を変更するために、そのブロック全体を削除して書き込み直さなければならないのだ。ブロックのサイズによっては、新しい1ビットの情報を保存するために、256KB〜4MBのデータを書き込み直しが必要になる。その結果、25万6千から400百万倍という比率で書き込みが増幅する。書き込みの負荷が高い状況でSSDを使用するなら、同じブロックへの書き込みをできるだけまとめて行う特殊なアルゴリズムを使用してこの問題に対処しなければならない。そうすれば、システムは同一ブロックに対する複数の変更を全て同時に書き込めるようになる。

 同様の問題として、ガベージコレクションがある。ガベージコレクションは、書き換えられたデータのブロックをリサイクルする処理だ。HDDでは、書き込まれたファイルはディスク上の同じブロックにいつまでも残る場合が多い。一方SSDでは、各SSDセルにデータを書き込める回数に上限があるため、全てのセルが均等に使用されるようデータは新しいブロックに再書き込みされることが多い。このプロセスはウェアレベリングと呼ばれる。データが再書き込みされると、以前にデータが書き込まれていたセルはデータの削除後でなければ再利用できない。削除対象のセルを追跡しながら当該セルを削除すると、ライトアンプリフィケーションがさらに生じる恐れがある。ただし、ウェアレベリングが発生しないようにストレージシステムのアルゴリズムが最適化されていれば話は別だ。

 ライトアンプリフィケーションという弱点があっても、オールフラッシュアレイシステムは一般的にHDDベースシステムよりずっと高速だ。ただし、システムのパフォーマンスを最大限に引き出す最適化手法はHDDシステムと異なる。最新のオールフラッシュアレイシステムは、ライトアンプリフィケーションとガベージコレクションの影響を最小限に抑えるべく設計されている。とはいえ、書き込みの負荷が大きいアプリケーションを使用している場合は、最善の構成を特定するために何らかのテストを独自に行うことをお勧めする。

オールフラッシュアレイのメリットとアプリケーション

       1|2 次のページへ

この記事を読んだ人にお薦めのホワイトペーパー

この記事を読んだ人にお薦めの関連記事

Loading

注目テーマ

ITmedia マーケティング新着記事

news117.jpg

ソネット・メディア・ネットワークスのDSP「Logicad」がインフィード広告枠への配信を拡充
ソネット・メディア・ネットワークスはDSP「Logicad」において、インフィード広告枠への...

news048.jpg

LINEとTwitterの幹部が語る、これからのマーケティングにおけるSNS活用
「Web & デジタル マーケティング EXPO 春」から、LINE 上級執行役員の田端信太郎氏とTw...

news035.jpg

サイバーエージェント、ライブ動画の広告活用に特化した専門組織を設立
サイバーエージェントは、同社が運営する映像配信プラットフォーム「FRESH!」をはじめと...