IDCのアナリストが指摘
そこが知りたい「ブロックチェーン」、データ管理に役立つのはなぜ?(1/2 ページ)
仮想通貨「ビットコイン」の中核技術として知られる「ブロックチェーン」。IDCのアナリストは、このブロックチェーンが、データマネジメントの新しい道筋を示す可能性があると説明する。
仮想通貨「ビットコイン」が急速に普及する中、暗号化された支払いシステムが多くの議論を巻き起こしている。この数年、業界をリードする技術者は、ビットコインの基盤技術である「ブロックチェーン」のデータアーキテクチャについて、詳しい調査を始めてきた。関心を寄せているのは、ベンダーや銀行、そして政府の規制当局だ。「分散型台帳」とも呼ばれるブロックチェーンは、そのネットワーク内で発生した全ての取引を記録する台帳を、全てのネットワーク参加者間で共有する。
IT調査会社IDCで、データ統合および整合性ソフトウェア調査部門のディレクターを務めるスチュワート・ボンド氏は、ブロックチェーンそのものに加え、ブロックチェーンがデータ管理に影響を及ぼす可能性に着目している。ボンド氏は「ブロックチェーンの革新によって、データの完全性の実現に向けた新たな道筋が生まれる」と評価する。
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「データマネジメント」についてもっと詳しく
―― ブロックチェーンについて、どのようにお考えですか。
ボンド氏 金融や医療といった業界で、ブロックチェーンが話題となっている。詳しく調査してみると、ブロックチェーンがデータマネジメントに革新をもたらす可能性を秘めていることを理解できる。事例を詳しく調べて、データマネジメントの観点でブロックチェーン技術自体を見る必要がある。興味深いのは、ブロックチェーンが、ネットワークの全参加者が合意する不変の履歴レコードを提供する点だ。
ビットコインは、最初に作成された「ジェネシスブロック」と呼ばれるブロックから始まる。取引などのイベント発生に伴って何かが変化すると、必ずタイムスタンプ付きで新しいブロックを作成する。以前のブロックにさかのぼって、変更内容に関する履歴レコードを取得することもできる。またブロックチェーンは、長くなればなるほど安全性が高くなり、情報が盗まれにくくなる。これはブロックチェーンが持つ不変性の一部だ。
ブロックチェーンにおけるもう1つの重要な要素は、変更に関する合意形成のためのアルゴリズムだ。これによってブロックチェーンのネットワーク内の合意が成り立っている。何らかの変更が提案されると、その提案について参加者全体の合意が必要になる。参加者は変更内容を確認することが可能だ。合意形成アルゴリズムの代表例が、ビットコインで利用されている「Proof of Work」(仕事量による証明)である。
合意形成の視点でブロックチェーンを見ると、その種類は1つではない。よく使用されるものとして、合意形成に誰もが参加できる非許可型(パブリック型)モデルが挙げられる。これはビットコインが採用しているモデルだ。一方で現在では、合意形成者を選ぶ管理主体が存在する許可型(プライベート型)モデルの議論がなされている。許可型モデルの場合、中央権力によって操作される可能性がある。
―― データマネジメントの専門家は、ブロックチェーンという新しいデータアーキテクチャ技術をどのように活用できるのでしょうか。
ボンド氏 ブロックチェーンは、そのネットワークの参加者全員が合意する履歴レコードを提供するため、データの来歴の保証、つまりデータの完全性(改ざんされていないこと)をもたらす。
データマネジメントに携わったことがある人ならば、誰もがデータの完全性に頭を悩ませたことがあるはずだ。データマネジメントでは、常にデータを監視して、データが正常かどうかを確かめる。データガバナンス製品やデータリネージ(データの経路追跡)製品も、そのために存在している。
多くの場合、完全なデータの来歴を得ることは難しい。ブロックチェーン技術は、それ自体がデータの完全性をもたらす。この完全性により、データが最初に作成されてから、データに対して、いつ、誰が、何をしたのかを把握できる。この仕組みが、ブロックチェーンのネットワークを支えている。
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