「仮想」「物理」の選択で鍵となる要素は
仮想デスクトップインフラ(VDI)導入に失敗した企業は、何を見落としていたのか?(1/2 ページ)
「仮想デスクトップインフラ」(VDI)はデスクトップ環境の効率的な運用管理に役立つものの、導入成功に向けて検討すべき項目は多岐にわたる。押さえておきたいポイントを紹介する。
今では仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)は、多くの組織にとって実用化できる選択肢にまで成熟した。VDIが物理デスクトップよりも明らかにより良い選択肢となる場合があるが、その要件やメリットを吟味することが必要な場合もある。
仮想デスクトップの動作は、物理デスクトップの動作と似通っている。ただしVDIは、デスクトップをデータセンターに集約し、エンドポイントに画面情報を転送する点が異なる。ネットワークに接続したどのような物理デバイスも、このエンドポイントとなり得る。
今後の戦略としてVDIにするか物理デスクトップにするかを決定する場合、ITアドミニストレータには考慮すべき重要事項がたくさんある。
- 仮想デスクトップにする場合、事業およびコストの面で考慮すべきことは何か
- エンドポイントの定義が変わる場合、それがIT担当者によるアプリケーションのデプロイメント(本番環境への展開)にどのような影響を及ぼすか
- VDIはユーザーの働き方にどのような混乱を与え得るか
- VDIはIT担当者によるインフラストラクチャの管理方法にどのような変化を及ぼすか
これらの問いに対する答えは、組織の大きさや複雑さ、要件により異なる。
併せて読みたいお薦め記事
導入企業が語るVDIの課題とメリット
VDI関連技術についてもっと詳しく
事業およびコストに関する検討
VDIの黎明(れいめい)期には、事業要件やコストを明確に理解することなく導入を試みる企業もあった。しかし結果的には、こうした初期プロジェクトのほとんどが失敗に終わっている。
企業がVDIを必要とするのは主に、セキュリティ確保やリソースの集約、データ/アプリケーションのライセンスの面である。VDIを利用すると、IT担当者は社内のデスクトップPC向けのサポート業務を軽減できる可能性がある。VDIの導入によってBYOD(私的デバイスの活用)を採用しやすくなったり、シンクライアントデバイスなど基本的な機能を備えたエンドポイントだけを提供すればよくなったりするからだ。
用途次第では、物理デスクトップよりもVDIが適切な選択だと明確に判断できる場合がある。例えばアプリケーションのオフショア(海外)開発がその主要な事例となる。この場合、デスクトップ制御やセキュリティ確保、コードとテストプロセスの集約が極めて重要となるからだ。
一方でVDIが有効に機能しないケースもある。遠隔地で作業をするフィールドエンジニアや、頻繁に移動する営業担当者は、仮想デスクトップを利用するのに適した、またはコストパフォーマンスに優れたネットワーク接続を常に利用できるとは限らないからだ。
VDIはたくさんの技術的な構成要素を組み合わせたものである。つまりVDI導入を成功させるためには、人的リソースや技術的リソースへの大掛かりな投資が必要だ。通常、これらの構成要素には「Citrix XenDesktop」「VMware Horizon」などのデスクトップ仮想化製品やストレージ、物理サーバおよび仮想サーバ、リモートアクセスセキュリティ機器などを含む。ベンダーはこれらの構成要素の幾つか、または全てをパッケージ化して提供している。ただし結局、VDIは高価なのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
8
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー