北陸銀行はVDI導入コストをどう捻出したのか? 解決した4つの課題XenDesktop/XenApp事例(1/2 ページ)

北陸銀行や北海道銀行を傘下に持つほくほくフィナンシャルグループは、XenDesktopとXenAppでVDI構築を進めている。同グループがVDIに取り組むのは、銀行ならではの課題を1つ1つ明らかにしていった結果だった。

2016年10月27日 09時00分 公開
[重森 大]

 北陸銀行や北海道銀行を傘下に持つほくほくフィナンシャルグループは、デスクトップ仮想化製品「Citrix XenDesktop」とアプリケーション仮想化製品「Citrix XenApp」によるVDI(仮想デスクトップインフラ)の導入を進めている。同グループが今VDIに取り組むのは、銀行ならではの課題を1つ1つていねいに明らかにしていった結果だった。シトリックス・システムズ・ジャパンが2016年10月13日に開催した「Citrix Xchange Tokyo 2016」において、北陸銀行でIT企画を推進する富永英司氏がVDI導入のいきさつを語った。

北陸銀行 富永英司氏

中期経営計画を後押しするIT投資を模索

 明治10年に創業した金沢第十二国立銀行を前身とする北陸銀行は、2017年には160周年を迎える歴史ある銀行の1つだ。2004年には北海道銀行と経営統合し、持ち株会社のほくほくフィナンシャルグループを発足させた。同グループが掲げる中期経営計画「BEST for the Region」によれば、金融サービス提供を通じて顧客や地域社会に貢献し、地方創生の一翼を担うことを目指している。そのために挙げた3つの柱が、営業力の強化と経営の効率化、経営基盤の強靱化だ。「この3つのうち、前者2つをITの力で後押ししたいという思いからスタートしたのが、今回のVDIプロジェクトです」と富永氏は述べる。

 1つ目の柱となる営業力の強化では、顧客の期待を上回る提案力やサービス力をITでも実現したいという。そのためには先進的かつ現場に最適なサービスを提供するためのインフラ投資が必要となる。その原資をどこから捻出するのか。それは2つ目の柱である経営の効率化にかかっている。北陸銀行と北海道銀行は経営統合したが、バックエンドのIT基盤はまだ統合できていない。バックオフィス業務やIT基盤の統合でグループシナジーを高めつつ、コスト削減を目指す。

 「コスト削減で生まれる原資を営業力強化のためのIT投資に回します。こうしてグループ全体ではコスト増を抑えながら、強い経営基盤と高い営業力の獲得を目指します」と富永氏は説明する。営業力の強化やIT基盤の統一には幾つものアプローチがあるが、ほくほくフィナンシャルグループが選んだのはVDIの整備だった。

 そこに至る道筋には「4つのキーワードと1つのプラスアルファ」(富永氏)があったという。4つのキーワードとはコスト削減、ワークスタイル変革、セキュリティ対策、そしてシステムインテグレーション(SI)の変革だ。各キーワードが示す課題と解決方法について見ていこう。

4つのキーワードに沿ってシステムのあるべき姿を紡いでいく

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